
排水不良解消へ計画改修 下地竹アラほ場 早期完了強調し負担軽減策へ 農家への同意取得進める
宮古島市は8日、下地上地の竹アラ地区土地改良事業に関する計画変更説明会を上地構造改善センターで開催した。排水不良などの課題が顕在化したことを受け、計画変更に伴って事業費が約3億300万円増額される一方、受益者負担から約311万円が免除される方針を示した嘉数登市長は「1日も早く工事を終え、農家の皆さんに引き渡さなければならない」と強調。現場の状況については「記録を残すよう指示しており、進捗は確認している」と説明した。
嘉数市長は早期完了への意欲を示した上で計画変更について説明。それによると現場での排水不良が相次いだことから、赤土への地盤入れ替えやトレンチ排水の追加整備が必要と判断し、今回、事業内容を見直し計画変更に至ったとのこと。
免除額の内訳については、1・0%区分(区画整理等)の免除額が約294万円、2・0%区分(ほ場内に限る畑地かんがい施設)の免除額が約17万円となり、1反あたり約2万9000円の免除が適用されるとのこと。
会場では参加者から「大きな問題が出ているにも関わらず、現場に工事をしている人の姿が見えない。整備は本当に進んでいるのか」と疑問が投げかけられた。
これに対し嘉数市長は「前回の説明会後、毎日現場に行って記録を残すよう指示しており、1日でも早く完了させられるよう進めている」と説明。補償を求める声に対しては「補償はできないが、今できることを最大限考えている。市の条例に基づき、負担金の免除措置を講じており、1日でも早く整備を終え、農家に引き渡すことを最優先に取り組む」と回答した。
農家側からは「管理がしっかりできていれば、もっと早く終わっていたはず」「担当者が何度も交代しており、そのたびに無駄な時間を過ごしている」との指摘も上がった。市は「管理体制や担当者の継続性について課題があったことは認める」と述べるも、一部からは「市の説明は納得できない」との厳しい声もあった。
市は「地元農家の皆さまの理解と協力のもと、負担を抑えつつ持続可能な農業基盤の整備を進めていきたい」とした上で「丁寧な説明を続け、持続可能な農業基盤整備を進める」と理解を求めた。
今後のスケジュールとして、同説明会後に受益農家に同意取得を進め、同意取得率3分の2を達成した後から平日の35日間で、公告縦覧や審査請求などの手続きを行う。その後、県知事への報告を行なった後工事が着手する方針だ。
受益農家者への承認手続きは手配りや郵送を通じて届けられる予定とのこと。