
女性がより健やかに 医師会が講演会 正しい知識、実践伝える 高尾氏、周りにサポートも
宮古地区医師会は5日、産婦人科医の高尾美穂氏(女性のための総合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長)を講師に招いた講演会を行った。「『私らしく』心地よく生きるために」のテーマでは病気の性差、女性ホルモン、更年期などを説明し、身体が不調なときは周りに伝えたサポートや医療の専門家に相談することを勧めた。「自分らしく生きる」では健康をいい状態に準備することを伝え、「病気になっても他の所は元気だと思って過ごすことで(今後の)前向きさが変わる」と述べた。

講演会は女性ホルモン、月経困難症、更年期など幅広く女性の健康について考えた。同医師会は「女性の体はライフステージごとに変化し、その時々でさまざまな体の不調や健康問題が現れる。宮古島の女性がより健やかな生活を送るために正しい知識と実践方法を学んでもらいたい」と呼び掛けたところ会場には多くの女性らが詰めかけた。
高尾氏は、最初に「産婦人科医は女性の健康を守るという大切な役割を担っている。『私らしく心地よく生きるために』のテーマは、これからの人生を過ごしていくなかでのイメージ。皆さんの生活や周りの大切な方々の役に立てればと思っている」と述べた。
病気の性差では、女性は腰痛症、脂質異常症(高コロステロール血漿など)、肩こり症、骨粗しょう症、関節症、うつ病やその他のこころの病気などが多いと説明。男性は糖尿病、狭心症・心筋梗塞、痛風、脳卒中(脳出血、脳梗塞)などの疾患が多い。
更年期では「不調に対してカウンセリングがいいという報告があり、改善する度合いは日本人女性の9割になる」と述べ、周りに話して理解を得るサポートの必要性を強調した。
また「生活の中で睡眠時間やストレッチなどを確保することが大事。(家庭で)調子が悪いと思っている方は時間の使い方を少し自分よりにシフトしていただきたい」と呼び掛けた。
今後できることでは「自身が何らかしら困っているかもしれないと気付いた時はできることはあるのではないかと周りを眺めてほしい。家族や地域に相談相手がいるかもしれないが医療の専門家に相談してほしい。前向きなアクション、周りに分かっていただく努力、男性から見たら機嫌が悪そうと思った女性が実は機嫌が悪いのではなく体調が悪いかもしれないという想像力が持てる社会だったら掛ける言葉は温かいものになる」と述べた。