
「物価高」「基地」争点 参院選公示 沖縄選挙区 新人5氏が訴え開始 17日間の論戦突入
【那覇支局】任期満了に伴う第27回参議院議員通常選挙が3日公示され、沖縄選挙区(改選数1)には、届け出順にいずれも新人の奥間亮(38)=自民公認、公明推薦=、真喜志雄一(34)=NHK党公認、和田知久(65)=参政党公認=、高良沙哉(46)=無所属、立民・共産・社民・社大推薦=、比嘉隆(47)=無所属=の5氏が立候補を届け出た。同日午後5時で受け付けを締め切り、20日の投開票に向け17日間の選挙戦が幕を開けた。
沖縄選挙区では2013年以降、自民が4連敗。非改選を含め16年以降「オール沖縄」勢力が2議席を独占してきた。今回の選挙は来年の知事選の前哨戦とも位置づけられ、主要政党の支援を受ける奥間氏と高良氏による事実上の一騎打ちに和田氏が割って入る構図となる。
全国と同様、最大の争点は物価高対策。燃料や物流コストの高騰に直面する離島県の沖縄では、生活基盤の支援が問われている。与党側は現金給付を、野党側は消費税の減税・廃止を主張。所得向上への現実的な道筋が論点となる。
米軍基地負担軽減も沖縄にとって根強い課題。訓練の広域化や騒音、事件事故が続く中、辺野古移設を巡る容認・反対の立場だけでなく、普天間の危険性除去の具体策が問われている。
【奥間亮氏】午後0時半、宮古島市平良西里の旧ツタヤ前で第一声を上げた。「離島政策を最優先に掲げ、宮古・八重山の課題解決から沖縄全体の振興につなげる」と訴え「アララガマ精神で沖縄の未来を切り開く」と強調。医療・福祉・地域産業の充実を掲げた。辺野古移設は容認の立場。
【真喜志雄一氏】午前9時半、那覇市奥武山町の護国神社前で第一声。「NHKの被害者を守る。消費税減税や社会保険料軽減で可処分所得を増やす」と主張。抑止力強化も訴えた。
【和田知久氏】午前10時、那覇市おもろまち・みずプラッサ前で第一声。「2万円給付では不十分。消費税廃止が本質的解決」と訴えた。正社員の増加と賃上げによる生活改善を主張。辺野古移設は否定的で、米軍基地の日本施設化と日米同盟に基づく防衛力強化を掲げた。
【高良沙哉氏】午前9時半すぎ、糸満市喜屋武岬で第一声。「生きるを政治の真ん中に。憲法の理念を沖縄から実現する」と述べ、基地と経済のリンクに反対。辺野古移設も明確に反対の立場を示した。
【比嘉隆氏】午前10時15分、宜野湾市の事務所前で街頭演説を開始。「コロナ・レプリコンワクチンの中止を求め、県民の命と健康を守る」と訴えた。
比例代表では、県関係候補として自民現職の比嘉奈津美氏(66)、維新新人の赤嶺昇氏(58)、社民新人の山城博治氏(72)、地域政党「再生の道」新人の宜保晴毅氏(57)の4人。
期日前投票はきょう4日から宮古島市は平良庁舎1階ロビーと多良間村は役場1階会議室で行われる。
■奥間亮(おくま・りょう) 1986年8月27日生まれ、那覇市出身。琉球大学法文学部卒。警察官、社会福祉士を経て那覇市議3期。自民党県連青年局長。
■真喜志雄一(まきし・ゆういち) 1991年6月6日生まれ、北谷町出身。北谷高卒。22年参院選佐賀選挙区、北谷町議選で落選。
■和田知久(わだ・ともひさ) 1959年12月2日生まれ、大阪府出身。大阪大学工学部卒、スタンフォード大学電気工学修了。元三菱電機社員、琉球大学名誉教授。24年衆院沖縄1区立候補、落選。
■高良沙哉(たから・さちか) 1979年1月16日生まれ、那覇市出身。北九州市立大学大学院博士(学術)。沖縄大学教授。ジェンダー・憲法学が専門。県民大会実行委共同代表。
■比嘉隆(ひが・たかし) 1977年7月24日生まれ、宜野湾市出身。沖縄国際大学卒。24年の県議選、宜野湾市長選、衆院沖縄2区に立候補し落選。