
路線価前年比18・5%上昇 西里大通り 27年連続最高地価に 沖縄上昇率全国で2位
【那覇支局】沖縄国税事務所が発表した2025年1月1日現在の路線価によると、宮古島税務署管内の最高路線価は平良字西里の「西里大通り(中央通りとの交差点から北西向け区間)」で、1平方㍍当たり16万円となり、前年比18・5%(2万5千円)の大幅上昇を記録した。前年の12・5%をさらに上回り、27年連続で管内最高の地点に指定されており、観光需要を背景に上昇傾向が加速している。
宮古島の上昇幅は突出しており、石垣市(6・5%増)や那覇市(4・0%増)を大きく上回り、沖縄県内6税務署の中で最も高く、地価高騰の象徴となっている。背景には、観光客数の急増に伴うホテルや飲食店の収益拡大、市街地商業エリアへの投資集中がある。
宮古島市は24年度、観光客数が過去最多の119万人を記録。コロナ禍で一時落ち込んだ観光需要は完全に回復し、宿泊施設も19年から倍増の112軒に達した。大規模ホテルも5軒から10軒に増え、23年の「ヒルトン沖縄宮古島リゾート」、本年3月の「ローズウッド宮古島」など、外資系高級ホテルの進出が続く。
路線価は、相続税や贈与税を算出する際の重要な指標であり、地価の動向を示す準公的な基準とされる。今回の発表は、宮古島市内における地価の高騰と都市化の進行を改めて裏付ける結果となった。
県全体の平均変動率はプラス6・3%で、沖縄は東京都に次ぐ全国2位の上昇率を2年連続で維持。沖縄は24年度、入域観光客数が995万人にまで回復。ピーク時(18年度1000万人超)に迫る勢いを見せており、7月には本島北部で大型テーマパーク「ジャングリア沖縄」の開業も控える。
観光と投資が連動する構造は、今後も宮古島をはじめとする離島経済を強力に牽引する見通しだ。西里大通りを中心とした地価上昇は、当面止まる気配がない。