
「問題解決に柔軟発想を」 新採用職員対象研修会 向き合って考えるも強調 市長が職員像など語る
宮古島市(嘉数登市長)は9日、市役所2階大ホールで新採用職員を対象にした研修会を行った。公僕としての意識を高め市民サービスの向上に努めることを目的に実施しており、この日は25人のうち21人が参加した。講話した嘉数市長は、市職員として求められる職員像について「問題を看過せず、その解決に向けて市民と共同できる柔軟な発想を持った職員」との考えを述べた。仕事する上でのさまざまな課題には「逃げないで向き合って考えていただきたい。前に進むと何らかの解決方法が見つかる。周りの先輩らに相談しながら進めてもらいたい」と述べた。

4月1日付で新採用された職員らはこの日、緊張感を見せながらも落ち着いた表情で参加した。
嘉数市長は、地方公務員制度の概要では任用(採用、昇任など)、人事評価、勤務条件、身分保障などを説明。職員の執務についての人事評価は「定期的に行わなければならない」、身分保障は「職員が恣意(しい)的にその職を奪われることのないよう身分を保障することにより、公務の中立性・安定性を確保する」と説明した。
社会情勢の変化はデジタル社会の到来など技術革新と実装、大規模災害や感染症などのリスク増大、少子・高齢化の進展、生産年齢人口の減少などを示し、それぞれの課題と求められる地方公務員のあり方は「デジタルで代替できない能力(現場力、共感)、高度な専門性」と述べた。
市職員として求められる職員像では▽市を取り巻く社会情勢の変化とは▽(変化の)課題はいつ頃発現し、将来にどのような影響をもたらすと考えるか▽市特有の課題か、原因はどこにあるのか▽市として組織的にどのような対応とるべきか、とれるのか▽課題は一職員としてどのように向き合っていくのか、いけるのか―の論点で考えさせた。
3、4人のグループで考えた職員からは保育士不足、農業の担い手不足、家賃高騰などの課題が挙がった。
農業の担い手不足では「賃金が安く、このままでは農業が衰退するかもしれない。(解決には)農作業の機械化や補助金を拡充すべき」などと話した。
これらに「素晴らしい」と述べ「地下上昇や家賃高騰などがあるが、若者の流出が1番の大きな課題。人口は5万5000人を維持しているが若者が外に出ており、若者が戻らないと島を支えることができない」と述べた。
新採用職員に期待することでは、仕事を通じて「宮古島市を知ること・地域の発展に寄与すること・自身の成長に務めること・自身のより良い生活設計をすること」と述べた。仕事をする上では必要な知識と健康を維持向上させることも強調した。