
春の叙勲に宮古から3人
政府は29日付で、2025年春の叙勲の受章者を発表した。県内からは桐花大綬章および旭日章11人、瑞宝章28人の計39人が受章。このうち宮古関係者は、地方自治功労で元市議会議員の池間雅昭さん(75)=平良東仲宗根=が旭日双光章、更生保護功労で保護司の下地達男さん(75)=城辺比嘉=が瑞宝双光章、教育功労で元公立小学校長の儀間裕芳さん(71)=平良西里=が瑞宝双光章をそれぞれ受章する。発令は29日付。
◆池間雅昭さん
宮古保護司会から3人目 瑞宝双光章更生保護功労
旭日双光章(地方自治功労)受章が決まった元市議会議員で平良西原出身の池間雅昭さん(75)は「これまでの議員活動が評価され、受章できたことを大変光栄に思う。支えてくれた妻や家族、地域の皆さんに心から感謝したい」と笑顔で喜びを語った。
1949年12月生まれ。琉球大学法文学部を卒業後、臨時教職員や塾講師を経て、35歳で旧平良市議会議員に初当選。以降、市町村合併に伴う宮古島市議会の計5期20年間にわたる議員活動は市民の福祉と生活向上を掲げて精力的に活動した。
市議時代には、ラ・ピサラ計画(白川田水源地に隣接したゴルフリゾート地の開発計画、95年撤回)の阻止運動や国民健康保険税の引き下げに取り組み、市民の暮らしを守るため全力を尽くした。
特に、西原地区公民館の建設や西辺小中学校の複式学級回避対策、県営土地改良事業の推進など、郷土西原の発展に心血を注いだ。
これからの宮古島を担う若い市議には「市民の生活向上に真剣に向き合い、若者が夢を持って安心して暮らせるまちづくりに励んでほしい」と期待を寄せた。
◆下地達男さん
妻や家族、地域に感謝 旭日双光章地方自治功労
保護司の一員として22年間、被保護者の生活相談や就労支援などを行い、社会の安全に貢献してきた下地達男さん(75)の瑞宝双光章(更生保護功労)受章が決まった。宮古保護司会で叙勲は下地さんで3人目となった。
知らせを受けたときは「初めは叙勲は保護司30年以上が対象だと思っており、私は22年の経験なのでまさかと思った。表彰式の時に頂いたのが叙勲だと知った」と話した。
2002年に保護司となり、宮古保護区保護司会のホームページを県内で初めて立ち上げた功績などもあるという。
苦労した点については「以前中卒で引きこもりの子がたまたま友達に誘われていたずらをしてしまった。その子の保護司時に、話したくてもこちらに来ない、来たとしても何をしたいのか全くわからない、その子が更生できるのか社会に出れるのか悩んだ」と語ったがその後、その少年が職場を見つけ、一人前になった姿を見た時はとてもうれしかったという。
また、地域社会でのあいさつ運動や、社会復帰後の子どもたちへ対する風習の変化への取り組みについても語り、今後の活動への意欲を示している。
◆儀間裕芳さん
可能性を開かせ信じること 瑞宝双光章教育功労
元公立小学校校長で71歳となった儀間裕芳さんの瑞宝双光章(教育功労)受章が決まった。「叙勲を頂けると聞いた時は全く想像していなかった。当たり前の仕事を当たり前にしてきただけ」と語り、以前職員が送ってくれたという宮古上布の大事なかりゆしでインタビューに臨んだ。
池間島生まれで3歳のときに旧平良市に引っ越し、1979年琉大教育学部卒。東風平町(現八重瀬町)の白川小学校に初任。池間小、平良第一小、城辺小の校長を歴任し、教育事務所長で定年退職を迎えた。
好きな言葉は「可能性を開く」「気づき、考え、行動する」だといい「私は子どもたちを人前では絶対に叱らない。その子に合った方法で褒めて伸ばし、そしてできるように教え、子ども達の可能性を開かせ信じること、そのようなことがしたくて先生になった」と述べた。
今後の宮古島の教育に関しては「故郷の歴史への理解を深め、英語に力を入れ、宮古島のことを英語で説明できる英語教育をしていけば宮古島の特色として良いのではないかと思う」と話し、教育に対する深い愛情を示した。
今後は趣味である鳥や星の観察を追及するとのこと。