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砂川副市長(右)に説明する今別府所長(中央)ら =市役所

「宮古伊良部」進捗率70% 国営かんがい排水事業 仲原地下ダム25年度完了 市に事業費・状況説明

 宮古伊良部農業水利事業所(今別府純一所長)が進めている国営かんがい排水事業「宮古伊良部地区」の進捗(ちょく)率は事業費ベースで70%となり、仲原地下ダムは2025年度に工事が完了する予定。保良地下ダムの進捗率は7%、用水路は延長ベースで93%が完了している。今別府所長らが14日、市役所を訪れて説明した。対応した砂川朗副市長は「(今後も)予算確保して事業を進めていただきたい。市としても関連事業を行っていきたい」と述べ、引き続き協力する姿勢を見せた。
 2009年度から始まった国営かんがい排水事業「宮古伊良部地区」は仲原地下ダム、保良地下ダムと仲地副貯水池の水源で新たな水の確保に向けて工事が行われている。今別府所長は「これらの施設ができると宮古島、来間島、伊良部島の農地に年間を通して計画的な水利用ができる」と述べた。
 全体事業費は523億円で、25年度は仲原地下ダムと保良地下ダム、仲地副貯水池などに33億4000万円の予算が計上された。
 24年度末時点の進捗率は仲原地下ダムが延長ベース92%、現在最終締切工区の工事を行っており、25年度に工事が完了する。保良地下ダムは同7%、用水路は同93%となっている。用水路の伊良部島の県営魚口地区は21年度に一部供用開始しており、以降散水面積を広げている。
 用水路工事については「かなり進んでいる」と述べ、伊良部島の魚口地区は25年度までには完了すると説明し、「そのあと畑地のかんがい工事が行われ、26年度以降に全ての畑に水が供給され、伊良部島でも事業の効果が出てくる」とも述べた。
 地下ダムの恩恵を受けた農業農村整備事業など優良事例では大嶺ファーム、みやこ福祉会、地建、先嶋建設の取り組みの説明もあった。
 同排水事業は1987年度から実施し、砂川地下ダムと福里地下ダムが造られた。完成後は宮古島や来間島の畑に水が供給されたが、水源が足りないなどでサトウキビは夏場だけの散水となった。その中、伊良部島でも水需要が高まったことから21年度に「宮古伊良部地区」を立ち上げて仲原地下ダムと保良地下ダムの工事に入った。国からの予算確保で仲原地下ダムは25年度に完了予定で、保良地下ダムの完了後の26年度から本格的な運用となる見通しだ。

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