公共施設利活用の研修で「公民連携」の手法を学ぶ市関係者 =市役所ホール

民間主導を行政支援で 川口氏(津山市課長)講話

 公共施設の利活用に関する研修(宮古島市産業振興局主催)が26日、市役所2階ホールで開催され、岡山県津山市財産活用課長で1級建築士・認定ファシリティマネジャーの川口義洋氏が「公民連携による公共空間の新たな価値創出」と題し、同市が取り組んでいる公共施設の公民連携の事例を通し、民間主導を行政が支援することで地域の資源活用や地域内(経済)循環を図るよう提案した。

川口義洋氏


 川口氏は、官民協同で効率的・効果的に質の高い公共サービス提供を実現するPPP(官民連携)の概念に基づき、公共施設の建設や維持管理、運営などを民間の資金や経営および技術的能力を活用して行う新しい手法のPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)を推進し、民間主導での公共施設活用を手がけている。PPPやPFIに関する内閣府行政実務専門家、国土交通省サポーターも務める。
 研修では従来の公共施設指定管理制度(5年程度契約)ではなく、長期契約で運営を民間主導とするコンセッションの手法で公民連携した施設やエリアを紹介するとともに、その波及効果を説明した。
 「負債をまちの経営資産に」として川口氏は、「民間連携の手法は重要ではなく、民間主導を行政支援するパートナーシップで、目標や、まちをどうするかという関係性を築くことが、これからの行政に求められる」と強調。
 この上で、「何も無いところにコンテンツ(中身、内容)を見つけ、場所やエリアの価値を高めること」とし、公共空間をそこにしかない色に染めるため、「行政には概念上のビジョンを定め、フィールドを決め、規制や運営を緩やかにすることが重要」とした。
 この日の研修には、座喜味一幸市長ら市職員、市議会議員らが参加。川口氏のPFI手法を取り入れた公共施設の活用のあり方について認識を新たにした。

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