4候補者に聞く、訴えたい政策 市長選候補者インタビュー

 任期満了に伴う第6回宮古島市長選挙。16日から「三日攻防」に入り、4候補者の出馬した動機や経緯、掲げる政策や本選挙の争点、出馬表明からここまでの選挙活動の手応え、有権者へ伝えたいことを聞いた。19日の投開票期日まで各陣営が浮動票獲得に向け遊説を重点に、掲げた政策の浸透と「一票」の上積みに全力で取り組む。

■下地明和候補
「市民生活の向上目指す」

 ―立候補した動機・経緯
 宮古島市を良くしたい。今、宮古島市は観光客も100万人を超える状況で、一見良いように見えるが、物価、家賃の高騰や住居不足で若者が住めない状況になっている。それを打開し、基幹産業の農業、観光業以外にも産業を増やし、若者がこれまで身に付けたスキル、学びを生かした仕事をしながら安心して子育てできる宮古島市にしたいと考えた。
 ―最も訴えたい政策は
 家賃高騰、住居不足、それを早急に解決した上で伸びしろのまだまだある農畜水産業をさらに伸ばし、それによって経済を支え、スキルを身につけた子どもたちが戻ってきて、仕事が楽しい、安心して子育てをできる新たな産業の導入でさらに宮古の経済基盤の拡大、人口増を図りたい。高齢化社会には医療、福祉介護も大変重要。子どもたちが伸び伸びと育つ環境をつくるため、行政として保護者を安心させ、負担軽減に取り組む。
 ―選挙の争点は
 各立候補者が同じような政策を掲げているので争点なき選挙だと考えている。その中でも住居不足と家賃高騰が一番大きな焦点で実行力は誰があるのかということになる。行政と民間企業も両方経験している私が有利だと思っている。
 ―手応えと運動の広がり
 知名度の向上がなかなかできなかったが、活発に運動し城辺出身であることや人となりを覚えていただき、かなり手応えは出てきた。
 ―有権者へのアピール
 現在の問題を一刻も早く解決し、子育て世代への支援、若者の住みやすい環境づくり、子どもたちが生き生きと学び、そして育っていくための政策などを進めたい。市民の生活向上を第一に考え、希望と活力のある宮古島市をつくっていきたい。

■座喜味一幸候補
「市民が主人公の市政継続」

 ―立候補した動機・経緯
 市長として1期4年を終えるに当たり、市民所得アップなど公約の約8割は達成できた。残り2割の達成と市民所得のさらなる向上、基幹産業である農畜水産業のさらなる振興を図りたいという思いと、教育・子育て環境、住まいの整備に責任を持って取り組みたい。何より、改革を止めないために立候補を決意した。
 ―最も訴えたい政策は
 市民所得のさらなるアップに取り組み、市民の暮らしの向上を図りたい。家賃高騰対応として、県に県営団地の建設等を要請している。県政と連携し、市民が住みやすい環境づくりを推進したい。安全・安心な水の確保については市民の理解を得られるようにしっかりと対応していきたい。
 ―選挙の争点は
 政策的には争点がぼやける選挙。有権者にとって難しい選択だが、政治家か行政マンによる政治かという点を挙げる。加えて保革を乗り越えた政治の安定か、旧態依然の政治に戻すかという点も選択肢になるのではないか。
 ―手応えと運動の広がり
 朝、夕の手振り運動、街頭演説していても車の中や歩行中の皆さんが笑顔で手を振ってくれている。着実に政策が浸透し、支持増を実感している。1期4年の実績を記したビラも市内のほとんどに配布でき、理解と共感が広がっていると確信している。
 ―有権者へのアピール
 1期4年で公平・公正な市政運営を行ってきた。2期目も市民ファーストを掲げ、市民が主人公となる市政を継続し、市民が住みやすい市政運営の継続、基幹産業の農畜水産業と観光産業が均衡した発展を続けるために、2期目もザキミに市政を託していただきたい。

■前里光健候補
「子や孫の世代に残せる街づくり」

 ―立候補した動機・経緯
 市議会議員を3期務めた中で多くの声を聞いて、地域に密着した政治で行政に訴えてきたが進んでいないと感じる。住みづらくなったことで島を離れる若い世代もいる中で地域の活力が失われている。若い世代に関心を持ち、先輩たちを支え、次の世代につなぐためにも中・長期的に考えた島づくりにするために自分が市長になって変えたいと考えた。
 ―最も訴えたい政策は
 支援政策として子育て世代の負担軽減のため、子育てクーポン券を考えている。負担を軽減することで移住、定住を図りたい。居住課題の中・長期的な解決を図るため公共アパートの整備なども進めたい。福祉に係る予算はあるが不用額も多い。病気の治療など渡航費、必要経費の助成など財源を確保して支援できる体制をとりたい。国全体で深刻とされる農畜水産業もしっかり支援し、増収増益を確立していく。また、雨天時でも遊べる全天候型の公の要望も多く寄せられている。
 ―選挙の争点は
 これまでの市政を続けるのか、変えるのかということ。市政刷新がポイントだ。市民所得向上など政策が反映されたものではなく、達成もできず市民への説明もできていない。不透明な部分が多かった。
 ―手応えと運動の広がり
 責任世代であり、議会も経験し実際に課題解決に動くということで高い評価を頂いている。経験と経歴を話すことで上の世代の方たちに好感触を得ている。
 ―有権者へのアピール
 市議として3期務め、毎日積み重ねてきたものがある。世の中に貢献したいとずっと考えてきた。危機感を持ち、子や孫の世代に残せるようにしっかりと活力ある街づくりへ全力を尽くしたい。

■嘉数登候補
「市民が誇りに思える島にする」

 ―立候補した動機・経緯
 生まれ育った郷里をより発展させ、誰でも住み良い街にしたい。副市長として1年半の市政運営上のさまざまな課題に取り組んできた。その取り組みを終わらせず前に進め、拡げ、多様なニーズに対応できるよう深めていかなければ市民の悩み、課題は解決できないと強く思っている。市民との対話を最重要視し、「市民が真ん中」の豊かで明るい宮古島市をつくるという理念で、この選挙に全力で臨んでいる。
 ―最も訴えたい政策は
 多くの市民からの要望を先送りせずスピード感とスケール感を持って進めていく。若者層の住居対策として副市長時代に発案し、今年度から着手している市営住宅の空き室の活用など民間と公共各部門が連携し住宅供給の増加と家賃の低減化を進め、市民が「ここで住みたい、働きたい、子育てをしたい」「また島に戻ってきたい」と誇りに思える島にすることが私の最も重要な仕事だと考える。
 ―選挙の争点は
 各候補者とも似通った選挙政策(公約)を掲げているが、具体的な実現方法、財源まで示されているかいないかには明確な違いがあり、また市民との対話に基づく行政運営の有無も争点になる。
 ―手応えと運動の広がり
 直面する重要課題への責任ある対応として掲げた対策、支援策などに若年者や女性層の関心が寄せられており、各種意見交換会などで運動の広がりを感じる。
 ―有権者へのアピール
 「市民が真ん中」の豊かで明るい宮古時島市を目指し掲げた各対策を確実に進め、「誰もが安心・安全に暮らせる島」「教育機会に恵まれた人づくりの島」「持続可能な島」の実現に全身全霊で取り組んでいく。

関連記事一覧