各陣営選対本部長インタビュー 市長選
12日に告示された第6回宮古島市長選挙。19日の投開票期日まで白熱する各陣営の選挙対策本部長に各候補者が掲げる政策や候補者自身の人柄、出馬表明からここまでの選挙活動、現市政への評価などを聞いた。
■下地明和陣営選対本部長 下地信広さん
「市民生活重視と市の再生」
―候補者の人柄と魅力
洞察力があり、頭のいい素直な人。手入れがされていない道路や農道のかんがい整備の遅れを指摘するなど行政の停滞をすぐ見抜く。また、自分の身を削ってでも市民のことを考えている人。
―最も訴えたい政策は
下地さんは市民生活を第一に考えている。住民税を5%削減し市民負担を軽減したいという、市長の給与を50%削減して宮古島市を再生していくという強い思いは市民を第一に考えている証しだ。物価高騰、住居不足、家賃の高騰対策などは早期に対応しなければならない。
また医療や介護現場での人材不足対策を地域完結で早期に対応する必要がある。さらに中・長期的な政策として新産業の誘致も訴えている。IT産業や下地島空港を活用した航空機産業の誘致は、島に若い人たちが戻ることで、生産人口が増え、子どもが増える。子どもが増えれば下地さんの掲げる政策がもっと生きていくと考える。
―運動の手応えは
知名度も上がり、訴えている政策も浸透しつつあり手応えを感じている。特に伊良部徳洲会診療所が閉院し停滞していたが、下地晃後援会長がクリニック設置を決めたことで地域住民らは盛り上がってきている。
―現市政への評価
あまり評価していない。これまで公約で10%所得向上と話してきたが、達成できていない。行政も停滞していると感じている。
■座喜味一幸陣営選対本部長 新里聡さん
「市民目線のクリーンな市政」
―候補者の人柄と支持する理由は
3期12年間、県議として活動する座喜味さんの姿を見て非常に誠実な方だと感じていた。4年前に市政刷新してから、宮古島市はクリーンな政治に大きく変わった。また、一次産業支援や教育環境整備など活躍は多岐にわたる。このことが再び市長に押し上げる大きな理由だ。
―最も大事な政策は
9項目の基本政策、細分化した48項目の政策を掲げている。①市民所得のさらなる向上②農畜水産業の振興③教育環境の整備④八重干瀬の世界遺産登録⑤子育て環境の向上と住まいの整備―の5点を最も重要な政策として挙げたい。
―運動の手応えは
力を入れているのは「市民ファースト」。出馬表明まで出遅れたことで前回選挙ではこちらを支持していた方々も別の候補を支援に回るという厳しい状況もあるが、この4年間の実績を見て、あと1期必要だという盛り上がりができていると感じる。さらに現職市長であるため、島全体に支持者がいることが他候補と違うところ。
―座喜味市政の評価
市民目線で市民の意見を聞いた市政を運営することを高く評価している。前政権では売却が決まっていた旧平良庁舎を、市民の声を聞き、その意見と思いをくみ取って新たなにぎわいの拠点にする座喜味さんならではのアイデア。旧上野庁舎も解体予定から6次産業の拠点化も座喜味さんだからこそ。
■前里光健陣営選対本部長 新里匠さん
「若さと発信力、継続力も」
―候補者の人柄と魅力
真面目すぎるほど真面目。そして毎日市民と会い、課題を聞いて解決する力とそれを継続できる力がある。アンテナを張り、考える力と展開力がある。これまで若い市長がいなかった。若いだけでなく、発信能力があり先頭に立って引っ張っていけるのは前里候補だ。
―最も訴えたい政策は
子育て、教育、住宅整備はもちろんだが、安心して暮らしていくためには医療体制の充実化を挙げる、医師不足解消のために宮古島の環境を整えることで研修医を育成し、医師がずっと滞在できる総合医療院やゼネラリスト育成の支援を訴えている。さらに、大型コンビネーション遊具を1年以内に完成させ子どもたちの遊び場をつくる。国や県の支援は待てない。行政経験者はスピードが遅いと感じる。やるべきことをいち早く行動する。
―運動の手応えは
私たちは市民一人ひとりの思いを結集するような運動をし、市民の思いをくむ。若い前里さんに若い人だけでなくオジーオバーの期待も日に日に高まっており、支持は広がり手応えはある。
―現市政の評価
現市政やそこに関わった人たちはまったく評価できない。し尿処理施設、農業委員会などの問題もあり、行政改革大綱も3年間言ってきたが1年前にようやく中途半端な形で仕上がった。財政健全化のための取り組みができていないと思う。できなかったことが次の4年間でできるとは思わない。市政4年間を変えたい。
■嘉数登陣営選対本部長 根路銘康文さん
「10年、20年を見据えた基盤づくり」
―候補者の人柄と魅力
嘉数さんは誠実。生真面目、良い意味でせっかち。35年間、県の要職を歴任し、県の筆頭部長である知事公室長で政策を実行してきた行政運営のプロフェッショナルだ。副市長を1年半務めたことで宮古の変化、宮古に必要な「コト・モノ」はもちろん、それを実現する道筋を知っている。それを実行する立場で動いてもらわなければならない。
―最も訴えたい政策は
少子化対策と若者定住促進、持続可能な観光振興を強調したい。福祉や教育などほかのすべての政策と密度にリンクし、観光地にありがちな「ザル経済」からの脱却を進め、環境保全とのバランスを取りながら住みよいまちづくりと地域の発展を実現することが可能だ。
―運動の手応えは
手応えは十分。支持は拡大している。副市長時代に行った地域懇親会での各自治会との意見交換、定期的なウーマンミーティング、多数の団体から上がってくる課題を吸い上げ、解決への道筋を立て、政策に反映させることができている。市議補選「大城じん」とのセットでさらに大きなうねりを生んでいる。
―現市政の評価
評価は低い。観光や経済などすべてに停滞を感じる。もっとできることがあった。方向性を定め、それに向けた動きがなかった。4年間のうちに次の10年、20年先までの強い基盤を作るために嘉数さんが必要だ。