受賞報告で上原さん(中央)、座喜味市長(左)、大城教育長 =市役所

上原さん厚生労働大臣賞 全国舞台で力強く発表 ホスピタリティを題材に

 「第72回全国高校定時制通信制生徒生活体験発表大会」で泊高校宮古協力校2年の上原美春さんが厚生労働大臣賞を受賞した。27日に座喜味一幸市長に受賞報告した上原さんは「全国大会で賞を頂いたことはうれしい。出場者はみなさん素晴らしく、あすからの生きる活力や頑張らないといけないという決意が強くなる大会だった」と振り返った。発表は学校生活で心の支えとなったクラスメートからのホスピタリティを題材にした。温かく受けたホスピタリティは実践していくと決意し、「(将来)目指している保育士で園児たちを受け入れるようになりたい」と語った。
 17日に東京で行われた全国大会では、予選は60人が5グループに分かれて発表し、それぞれの上位3人の15人が決勝に進んだ。上原さんは「いごこち」の題で発表し、2位に当たる厚生労働大臣賞に輝いた。
 受賞報告には母親の留美子さんも同席。「素晴らしい全国大会に出させていただいて感謝している。定時制通信制には幅広い年齢、いろんな国籍の人が学んでおり、学び直しなど誰にもチャンスがあることはありがたい」と話した。
 座喜味市長は受賞を祝福し、「小学校から作文で賞を取るなど期待していたが、(全国大会受賞に)ここまできたかという思い。今後もいろんな目線で人の動き、心の動き、社会の動きの中で鋭い感性で表現してほしい」と活躍を期待した。
 大城裕子教育長も受賞を喜び、「小学校の頃から作文、絵が上手で体験や心の日々を感じる力が発揮されている。今回の賞も力を発揮して受賞された。(美春さんが)多くの方に通信制で学ぶ方の生き方も知る機会となったと話していたので、そこからまた多くのことを学んで今後の人生に生かしてほしい」と述べた。
 上原さんは、寄り添うのホスピタリティを題材に発表した。題材について「スクーリングで学校に行きたくないという日にクラスメートは無理に声をかけず、いつも通りに接し『そういう日もあるよね』と笑って流してもらった。中学校までは『学校に行った方がいいよ』と言っていた。クラスメートがやってくれたことが心の支えになり、ホスピタリティを感じたので題材にした」と話した。
 発表の中で訴えたいことは「みなさんに訴えたいというより、クラスメートから受けたホスピタリティを今度は実践していかないといけないという決意表明のような自分を鼓舞するための作文」と説明した。
 受賞には「宮古協力校から出るのは稀(まれ)で全国大会まで出してもらえたことはうれしかった。受賞だけでなく、いろんな学びを得ることができた。自分の糧になるような情報もたくさんもらえてうれしいが詰め込まれた大会だった」と笑顔を見せた。

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