地域医療を楽しく体験 宮古病院 中核病院の役割紹介 オープンホスピタル
県立宮古病院(川満博昭院長)は5日、5年ぶり5回目となるオープンホスピタルを開催した。日頃は見学のできない「医療現場」を子どもを中心に楽しく体験してもらうもので、さまざまな医療体験ブースが設置された1階フロアに多くの親子連れや児童生徒らが訪れ、医療行為やその役割について学んだ。病院探検では病院内部を巡り、医療現場を見学。子どもたちは地域医療の重要性を体感した。
オープンホスピタルは中核病院の役割、機能、設備を広く市民に楽しみながら理解してもらうほか、医療従事者との触れ合いや医療現場の見学と体験を通して、児童生徒に将来の夢を膨らませる機会を提供することを目的としている。
オープニングセレモニーでは小児科の斎藤洋太医師のドラムソロと大きな拍手で幕を開け、川満院長は「病気になったときに来るのが病院だが、病院の在り方を考え、どういう場所かを理解することが重要。きょうは楽しんでほしい」とあいさつした。
病院内に設置されたブースは計18カ所。1時間弱で来場者は400人を越え、さまざまな体験が提供された。
看護部のブースでは看護服着用コーナーで聴診器を使った看護業務を体験。病院内には自作したナースキャップを被る小さな看護師らであふれた。
長蛇の列となった電気メスを使った手術体験では鶏肉を臓器に見立て、手術室看護師らに指導を受けながら体験した。
将来は歯科医になりたいという久松小1年生の高宮こころさんは内視鏡を体験し、「楽しかった」と話し、夢へ向けて一歩踏み出した。
一時救命の応急処置のブースではマネキンの半身くんを使って心臓マッサージを行い、救命措置から救出までの体験が提供された。
検査室では電子顕微鏡で血液など検体を観察し、臨床検査技師を体験。人気マンガ「はたらく細胞」との違いに驚く様子も見られた。また、血液型の違い、判別方法などもクイズ形式で分かりやすく解説された。
そのほか、歯科口腔外科では抜歯体験、放射線科では、CTやMRIで撮影した魚や野菜などで放射線技師の仕事について学んだ。
病院探検隊は正面玄関に集合し、2回に分けて出発。職員の案内の下、手術室やさまざまな機器が紹介され、医療現場を楽しく学んだ。