現場の声を改善、提案へ 県議と出先機関、意見交換 宮古病院人材確保 不足の住宅、改修が課題
宮古地区選出県議会議員と県出先機関との意見交換会が11日、宮古合同庁舎2階講堂で行われた。下地康教、新里匠の両県議の要望で初めて実現した同会では宮古事務所、宮古農林水産振興センター、宮古病院など出先機関の事業概要の説明を聞き、改善や提案に結びつけていきたいと実施。宮古病院では新たな課題として「リハビリのセラピストの不足」が挙がった。医師や看護師、事務職などの不足もあり、これらの人材確保に向けては住宅の確保が最大の課題として共有された。
意見交換会には下地県議、新里県議と県出先機関からは宮古事務所の川上睦子所長らが出席した。
始めに宮古事務所総務課、同所県税課、宮古福祉事務所、宮古保健所、宮古農林水産振興センター、同センター農業改良普及課、同センター家畜保健衛生課、同センター農林水産整備課、農業研究センター宮古支所、宮古土木事務所、下地島空港管理事務所、宮古教育事務所、宮古病院が事業概要を説明した。
意見交換会は非公開で行われた。終了後、下地県議は「議会では本庁とやりとりするが、宮古地区現場で皆さんがどういう形で仕事をしているのかを聞くのは大事。現地の声をしっかり受け止めて改善、提案に結びつけていきたい」と述べた。
また「現場でどう動いているのかを確認し、現場と本庁の情報交換が確認できたのは良かった。見つかった課題の改善へのやりとりが見えるのも非常に良かった」と話した。本庁と現場とのパイプ役も強調し、「事業をうまく進めていくことに結びつけていきたい」とも話した。
新里県議は、県出先機関と相互連携を深めていくことは重要と強調。意見交換会には「本庁で質問するが、離島の現状に合っていな部分が多く、出先機関から本庁に上がっていない可能性もあると思ったので現状を聞いてみようと要望した。意見を聞く場を構築し、信頼関係を築くのは大事。出先機関と話しをすることができたので(今後)行って聞き、現状の打開にしたい」と語った。
宮古病院からは人材確保として▽医師(小児・救急・専科)の不足▽看護師の不足▽リハビリのセラピストの不足▽事務職の不足―などが挙がった。建物全体の窮屈さや不足する住宅の確保、医師住宅や看護師住宅の改修も課題だという。
新里県議は「小児科医師らの不足は聞いていたが、新たにリハビリのセラピストが少ないのには驚いた。人材確保には島内に医療の専門学校や専門的な人材を供給する場をつくることが必要ではないか。全体的に人を集めるためには住む所を確保していかないといけない」との考えを示した。