海浜の自然破壊に警鐘 佐和田の浜 無許可で伐採・岩石破砕 発電機持参で電動ノコ使用
伊良部島の西、下地島側のホテルてぃだの郷近くの佐和田の浜で発電機と電動ノコギリを使用し、無許可で大きな琉球石灰岩を砕いたり自生植物の枝を伐採されることが起こった。約2時間にわたったこの行為は、風光明媚な佐和田の浜と県立自然公園に指定されている伊良部島の沿岸部海岸沿いの自然環境に対する明らかな破壊行為であることから宮古島署員によりその男は厳重注意を受けた。
発端となった8月中旬、伊良部島住民が下地島手前の同ホテル前の道路で、大きな琉球石灰岩を砕いたり自生する植物の枝を伐採している人物を目撃した。
目撃者は「発電機と電動ノコギリを使用しての行為はさずがに目に余る行為だ」と同署に通報し、警察は現場の人物に厳重注意を行ったが、男は初犯であると主張したため罰則は適用されなかった。
県環境部自然保護課自然公園班によると、このような無許可の自然環境への介入は条例違反にあたり、建物新築改築工事等の際には市環境保全課に申請し、県環境部自然保護課から許可を得る必要がある。
目撃した住民は「今回、発電機や電気のこぎりが見えたのでさすがに驚いた」と話し、約1時間ほど破壊行為をしたため第三者に判断してもらおうと通報したとのこと。
その上で「伊良部大橋が架かる前までこういったことはなかった」「島の人も許可を得ているものだと黙認しているだけで頻繁に目にすると聞く」と述べ、自然破壊の現状を訴えた。
佐和田の浜の自然は、1996年に環境省から「日本の渚100選」に指定されるなど、その価値は高い。目撃者に案内された場所は人の目のつかない場所や人が入らないところ。そこには伐採された様子や琉球石灰岩を砕いた痕跡が見られた。
市環境保全課の担当者によると、事前審査に基づく許可なしに伐採や破壊を行うことは許されないことで、今回の現場は許可していないとのことで島の自然を守るための法的な枠組みの理解と、地域住民の自然に対する深い愛情と尊重の重要性を浮き彫りにした。
住民と行政が協力し、島内の自然環境を守るための取り組みが今後一層求められる。