観光行政について議論した市観光推進協議会
=12日、市役所庁議室
市、宿泊税独自導入へ
宮古島市が2024年の徴税開始を目指す宿泊税について、市独自で導入する方針とわかった。県が検討する宿泊税から配分を受ける方法も検討していたが、県の導入に時間がかかると想定されるため。12日に市役所庁議室で行われた2022年度第1回宮古島市観光推進協議会(会長=座喜味一幸市長)で報告され、独自財源による観光環境の整備を目指すという。
市は、市民も観光客と同じように負担する「入島税」、市内のホテルに宿泊する人から徴収する「宿泊税」、任意の「入島協力金」の3種類の徴収方法について以前より、それぞれの懸案事項や税収試算を示し議論した結果、「宿泊税」を中心に進めていく方針としていた。
市当局は独自方針の背景に財源確保のほか、オーバーツーリズムや環境負荷増大▽一括交付金制度が終了見込み―などを挙げた。
また日程を「最速のプラン」と前置きしたうえで、24年度の宿泊税条例の施行を目指し22年10月に市宿泊税導入審議会(仮称)を立ち上げる予定とした。並行して費用負担に関する事業者協議や宿泊事業者へのヒアリング、徴収システム検討などを行い、23年6月に条例を議会に上程、可決を目指すという。
会議に出席した県宮古事務所の長濱為一所長は「県が実施していない中で宮古島が独自に導入するには丁寧な説明が必要。大型施設は徴収しやすいかも知れないが、地場の旅館などは難しいのではないか」と意見を述べた。
座喜味市長は「レンタカー不足など2次交通不足の課題もあるが、観光振興を量から質へ変更しなければいけない。課題を各部局でしっかり議論してほしい」と指示した。