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セレモニーであいさつする宮城所長 =市役所

人権尊重と差別意識解消へ 県宮古福祉事 ハンセン病パネル展開催 市役所、図書館で20日まで

 偏見や差別のない社会を目指し、ハンセン病に関する正しい知識を普及するためのパネル展が13日、市役所1階ロビーと未来創造センター(市立図書館)で始まった。主催する県宮古福祉事務所の宮城石所長は、市役所で行われた記念セレモニーで、人権尊重の大切さを呼びかけた。展示は20日まで。
 ハンセン病は感染力の弱い感染症の一種。20世紀後半に入り治療法が確立された後も、日本国内では明治時代の1907年に施行された法律に基づいて、患者を療養所に収容する隔離政策が続けられた。また国だけでなく、各県が「無らい県運動」を推し進めたことも、患者や家族に対する差別や偏見の助長につながった。一家心中事件が起きたこともある。
 21世紀に入り、国や地方自治体の政策が誤っていたことが公的に認められ、補償や真相究明、名誉回復の取り組みが推進されている。加害の一端を担った社会の責任も問われており、差別や偏見のない社会の実現を目指すことは、国民の責務とも言える。
 パネル展ではハンセン病問題の概要やハンセン病隔離政策と宮古南静園の歴史、ハンセン病家族訴訟における原告団の証言などが記されたパネルが閲覧できる。
 セレモニーで宮城所長は「毎年開催しているこのパネル展が引き続き市民の皆さまに正しい知識を提供し、人格と個性を尊重しながら自分事として考えるきっかけになれば」と述べた。
 嘉数登副市長もセレモニーに出席し、座喜味一幸市長の「南静園入所者や対象者の方々が地域の中で孤立することなく、穏やかに暮らすことができるよう、問題解決に向け今後も取り組みたい」とメッセージを代読した。
 ハンセン病回復者等への偏見や差別意識を解消し、名誉回復を図る同パネル展は沖縄本島でも県立図書館で19日~24日、26日~7月1日に開催予定。あわせて療養所入所者の作品展も展示される。

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