障がい者の生活・就労支援 「自立へ」サービス提供 手をつなぐ育成会総会 24年度事業方針など確認
宮古地区手をつなぐ育成会(松川英世理事長)の第33回通常総会が1日、みやこ学園食堂ホールで行われた。2023年度事業報告・活動決算報告、24年度事業計画書・活動予算書などについて審議した。24年度も障がい者が地域社会で自立した生活をするために必要なサービスを提供し、社会参加の促進や生活支援、就労支援などに取り組んでいくとする事業を確認した。総会前には山城由未さん(市障がい福祉課・障害者虐待防止センター)が「宮古島市における障害者虐待の状況と合理的配慮について」の演題で講演した。
松川理事長は、あいさつで「23年度にみやこ福祉会と共催し開催した福祉講演会では『親亡き』あとの財産の管理、相続の知識、支援制度などは社会との接点がいかに大切であるかを教えてもらった。育成会としても親亡きあとの大きな課題である。これからも福祉講演会を通して皆さんと一緒に考えていきたい」と述べた。
このあと市社会福祉協議会の野原勝会長らが来賓あいさつした。
24年度事業の社会参加の促進では、障がい者自らが参加できる環境を作りながら各種イベント行事に参加し、作品展示や物品販売など地域と積極的に関わりを持つとしている。
生活・就労支援は県手をつなぐ育成会と共に宮古地区知的障がい者スポーツ大会を主催し、宮古地区障がい者(三障がい)スポーツ大会の共催を通して地域社会との交流を深め、社会能力の育成と向上を目指す。
福祉啓発事業については保護者や支援者、施設職員らと情報交換会に参加して交流を深め、賛助会員の加入促進を図り障がい者への理解と福祉啓発に努めることも確認した。
総会では、改正障害者雇用促進法の施行により4月1日から事業者に対し、障害のある人への合理的配慮の提供が義務付けられるようになったことが紹介。「事業者は業務に影響が出ない範囲で対応する事が求められる。合理的配慮の提供は、これまで行政機関等は義務、事業主は努力義務とされていた」と説明した。
この改正については「障がい者雇用においての合理的配慮を考える上では障害者差別解消法、障害者雇用促進法をしっかり把握する必要がある」と強調し、「共生社会に向けての第一歩につながってほしい」と期待を込めた。