通信インフラの災害対応 早期復旧へ支援体制 NTT西日本沖縄支店説明 離島の工事車両先行配備
西日本電信電話(NTT西日本)沖縄支店(古江健太郎支店長)は21日、宮古営業所で「台風等による通信インフラの被災と復旧」の取り組みを説明した。通信設備や通信・ケーブルの復旧などを説明し、宮古島など離島の被災による故障復旧には高所作業車など工事車両の先行配備で対応。甚大な被災を受けた場合は早期復旧に向け全国からの支援体制を構築していることも説明した。古江支店長は「地域のみなさんが安心して利用できるよう災害に備え、対策強化はもちろん実際に災害が起きた時は1日も早い復旧に向けて取り組んでいきたい」と述べた。
この説明会は台風シーズンを迎える前、報道機関を対象に通信設備や光ケーブルの修復作業、高所作業車を用いた保守作業、通信ビルの設備などについて行われた。
主な通信設備は、NTTビル間を繋ぐ中継伝達区間とNTTビルと客を繋ぐ加入者区間によって構成されている。「台風が発生すると屋外にある設備(電柱、ケーブルなど)への影響が大きい」と話した。
通信ケーブルの中には複数の通信線があり、1本ごとに利用客に繋いで電話やインターネットのサービスを提供していると説明。「台風で通信ケーブルが切れると通信線を1本1本繋いで修理する必要があり、全面復旧までには時間がかかる」と理解を求めた。
メタルケーブルと光ファイバケーブルの説明もあった。このあと光ケーブルの修復作業や(屋外で)高所作業車を用いた復旧作業の様子も見せ、「復旧作業では故障となっている利用客の通信線を1ずつ接続など行い修理する」と話した。
災害対策の取り組みは▽ネットワークの信頼性の向上▽重要通信の確保▽サービスの早期復旧―を基本方針として取り組んでいることを紹介。ネットワークの信頼性の向上では地震・火災・風水害に強い設備づくりや24時間365日のネットワーク監視、制御に取り組む。サービスの早期復旧には災害対策機器の活用や復旧資機材通達、復旧要員確保などに努めていると説明した。
離島の通信を支える伝送路区間は「地下化・多ルートを確保し、信頼性の向上の取り組みを実施している」と話した。
被災後の早期復旧の取り組みでは海上保安庁(人員や資器材の輸送)、KDDI(ケーブル敷設船の相互活用による災害物資の搬送)、沖縄県・沖縄電力(復旧作業の支障となる倒木や土砂の撤去)と協定を締結しているという。
古江支店長は「通信インフラを担っていることをつなぐ使命と言っており、つなぐ使命を果たすために災害に備え、災害が起きた時は迅速に対応している。不便をかけ対応が長期化するケースもあるが、(今後も)NTTグループは総力を挙げて対応していきたい」と述べた。