避難体制強化、防災基本計画 宮古島市 関係団体と最終原案確認
宮古島市の2023年度第2回防災会議(会長=座喜味一幸市長)が14日、市役所2階ホールで行われた。さまざまな課題に対応した地域防災計画案など市地域防災計画の最終原稿について約30人の出席者と議論および確認を行った。座喜味市長は各種団体との連携を強調し、今後市民に発表する旨を述べた。
この会議は、2020年3月に決定した現行計画についてそれ以降に制定された上位計画である国の防災基本計画(23年5月制定)などを勘案した修正内容を反映させる必要があるとしており、関係法・関連計画との整合性、避難勧告・避難指示の一本化といった課題に対応した地域防災計画案について市の現状に即した対策を確認・審議することを目的として行われた。
改定方針は▽各種災害予防・応急対策の推進▽要配慮者等の避難体制の強化―など5つで、県地域防災計画(21年6月修正)を踏まえ、宮古島地方気象台、宮古病院、海上保安部などの各関連団体との整合性を昨年11月の第1回防災会議での意見を基に修正し、最終原稿の確認と審議を実施した。
修正案については宮古島地方気象台の緊急地震速報に加え長周期地震動を考慮した土砂災害警戒情報の伝達系統図や新設されたこども家庭局を要配慮者に関連する事項に実施主体として追記し、津波災害警戒区域内の要配慮者利用施設に3医療機関、4高齢者施設、保育施設と児童クラブを1つずつ追記するなどを確認した。
修正案については出席者から特に意見はなく、市の人口約5万5千人に加え、住民票のない人や観光客の安全も考慮された。
市は観光地としての特性上、クルーズ船による3千~5千人の観光客流入や、277病床の宮古病院における外来患者の多さなど、特有の課題を抱えている。
これらの点を踏まえた上で、出席者からは市の現状に即した要望と感想が出され、座喜味会長は常日頃から各種団体と連携を綿密にとり、計画の具体化と市民への情報提供に向けた姿勢を明らかにした。