前里光健氏

市議会 一般質問はじまる

 宮古島市議会(上地廣敏議長)の6月定例会は15日、一般質問が始まった。前里光健氏は、島外・県外への農林水産物輸送を支援する「流通条件不利性解消事業」が今年度から、航空輸送補助額の大幅減などの制度が変更されたことに対し「離島の不利性解消に適さない」として当局の見解をただした。座喜味一幸市長は空路と海路の補助額が同額となったことや制度の実現性に疑問を呈し、「制度を変更する必要がある」との見解を示した。 

座喜味一幸市長


 前里氏は「これまで特例として認められていた島内移送など『横持ち』への補助撤廃など、離島の不利性解消に適さない。航空輸送は補助額が㌔単価115~140円から65円と引き下げられ特に影響が大きい」と述べ、制度変更が市に与える影響や、対応窓口が県から市に変更されることへの対応などを質問。
 砂川朗農林水産部長は宮古地区における昨年度の補助実績のうち、8割が航空輸送に対するものと説明。「海路に変更するとしても、コールドチェーンの構築などがすぐにできるわけではない。島外への輸送が滞ることがないようにと考えている」としながらも、市への影響については「県が設計した制度に従って事業を実施していく中で検証を進めていきたい」と述べるにとどめた。
 窓口が市に移ることについて砂川部長は、地域振興計画と生産振興計画を策定するための▽指定品目選定▽個別農家の3戸以上での生産者団体立ち上げ準備▽各農家の生産計画取りまとめ―などに加え、指定物流業者の選定、農家や関係機関との協議や説明会など、多くの準備を短期間に行う必要があると列挙。
 前里氏は「9月1日の事業開始までに大変な労力を割く必要があり、無理のあるスケジュールに思える」と実現性に疑問を呈した。
 前里氏に見解を求められた座喜味市長は「離島の不利性解消事業に努めるというが新たな振興計画の柱となっており、大変期待をしていた」としながらも、「説明を聞いて私も大変驚いた。『どんぶり』のような現場と合わない単価設定で、制度設計も宮古の実情と合わない。コールドチェーン構築など物流の実証もなされていない。少なくとも来年度には制度を変えていく必要があると考えている」との認識を示した。

関連記事一覧