宮古地区の不利性解消事業補助金額推移 宮古地区21年度の品目別補助額順位

不利性解消、21年度補助 宮古3億4千万円

 沖縄県は10日、農水産物の島外・県外出荷にかかる輸送費を補助する「農林水産物流通条件不利性解消事業」の2021年度までの統計データを発表。宮古地区は同年度、31の事業者が3億4682万円の補助を受けたことが分かった。県が行っていた同事業は9月から各市町村に事業主体が移行されるため、宮古島市は配分額5千万円を一般会計予算案に計上している。市議会の総務財政・経済工務委員会は13日、県にこれまでの実績など同事業の詳細な資料提出を求めるとして、予算案の採決を先送りした。
 県が一括交付金を活用している同事業の今年度予算額は、前年度比6億円減の約22億円。ただし、昨年度は約28億円の予算額に対し決算額は約25億円の決算となっており、3億円あまりが不用額となった。9月から事業主体を各市町村に移行するにあたり、昨年度までの実績を踏まえた見込額の8割程度を予算として配分しているという。
 県は補助金に不足が生じた場合は、予算全体の範囲内で適切に対応するとしている。また、8月末までは県が補助金の交付を行っているため、宮古地方への給付額が3億円台から5千万円に急減するわけではない。5千万円は9月から来年3月末までの金額。
 最大の変更点は航空輸送補助の減額で、昨年度は県外への花き・水産物に㌔あたり140円、その他の農産物は同じく115円の補助が出ていたが、今年度から一律65円となる。沖縄本島への輸送補助も、55~60円だったものが30円とほぼ半減した。
 宮古地区の補助額上位作物のうち、ゴーヤー・オクラ・マンゴー・サヤインゲンは航空輸送率が100%となっている(本島まで船舶、本島から航空の場合は航空輸送として計算)ため、大きな影響が予想される。
 一方、県外への船舶輸送に対する補助額はモズクが1㌔当たり15円、それ以外の全品目が35円だったが、一律65円に引き上げられる。船舶輸送率が97・7%のモズク、88・5%のトウガン、78・9%のカボチャ(いずれも県全体の割合)などの品目にとっては、制度変更が有利に働く可能性もある。
 市議会は同事業に関して県に詳細な資料を求めるとして、一般会計補正の委員会採決を保留。15日から始まる一般質問でも、同事業について市当局と論戦が交わされる見込み。

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