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(左から)教育長賞の陶さん、市長賞の友利さん、市文化協会長賞の難波さんと佐久川さん =16日、マティダ市民劇場

みゃーくふつ次世代へ 友利琉月さん最年少市長賞 方言大会、入場制限なく通常開催

 第28回鳴りとぅゆんみゃーく方言大会(市文化協会主催)が16日、マティダ市民劇場で開催された。消滅の危機にある宮古方言を次世代につなごうと7組9人が出場して自身の体験やエピソード、考えなどを発表。審査の結果、友利琉月さん(15)が大会最年少で最優秀の市長賞に輝いた。教育長賞は中国出身の陶天龍さん(30・東京在住)、市文化協会長賞には佐久川美穂・難波優里香さん(ともに39)が選ばれた。今回は入場制限等を設けず4年ぶりに通常開催となり、大勢の観客が宮古方言を楽しんだ。
 同大会は近年、若年層のみならず中年世代でも方言を話せない人が増えていることを危惧し、文化の基層を成す方言に今一度思いを深め「みゃーくふつ」の豊かさを共有し継承することを目的に開催されている。
 開会式で市文化協会の饒平名和枝会長は「方言は長い歴史の中で地域の人々の生活とそこで育まれた独自の文化を支えてきた。言葉と文化は強く結びつき、方言を守ることは地域の文化を守ることにつながる。今後も地域の言葉と文化を守り、方言の価値と魅力を次世代へつないでいけるよう多様な取り組みを推進していきたい」とあいさつした。
 「みゃーくふつ~私の守りたいもの~」と題して発表した友利さんは、祖父との会話から関心を持った宮古方言の継承への思いを語った。「方言を話している量が違い、自信が無かったので思いを伝えるだけ伝えようと発表した。自分が賞を取ったことをきっかけに若い人が方言に親しんでもらえればうれしい」と受賞の感想を述べた。
 陶さんは東京外語大学の博士課程で久松方言を研究しており、単語を覚えるときに作るダジャレや発音を間違えると大変なことになるエピソードを紹介。宮古方言が失われつつあることに「惜しい。宮古島でももっと子どもたちが方言を使うようになればいいと思う」と話した。
 宮國敏弘審査員長は「方言に対する情熱が全員から伝わってきた。多くの若い人が挑戦してくれたことは、市文化協会が進める方言継承への願いにぴったりの大会だった。発表者と観客とのキャッチボールが素晴らしく会場が和んだ。拍手あり、指笛あり、笑いあり、この大会はみんなでつくるもの」と講評した。
 出場した宮國善好・亀川正良さん(ともに72)、野原康男さん(61)、川満勝久さん(74)、新里英斗さん(32)にはそれぞれ奨励賞が贈られた。

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