10日からかん水作業開始 降水量平年の5割以下 市干ばつ対策会議
宮古島市干ばつ対策会議(会長=石川博幸市農林水産部長)が7日、市役所で行われ、かんがい施設のないサトウキビ農家などを対象に10日からトラックによるかん水作業への補助を開始することを確認した。宮古島地方気象台によると梅雨時期の宮古島市の降水量は平年の5割以下となっており、当面は雨の少ない状態が続くと見込んでいる。葉のロール現象など影響が出てきた地区もあり、石川会長は「早めの対策で被害を最小限に」と呼び掛けている。
かん水作業は宮古地区トラック事業協同組合のタンク所有者が実施する。かん水費用は大型トラック1台4200円として農家は負担金を原料員に支払う。内訳は市補助金が2200円、農家負担金が2000円(水代はトラック1台当たり400円、Ⅲ型給水施設を利用した場合は市が負担)。
対象区域は市内全域。かん水作業は各地区製糖工場の原料員に申し込む。給水場所は宮古土地改良区が指定するⅢ型給水施設、宮古製糖城辺工場、宮古伊良部農業水利事業所管理のⅢ型給水施設(牧山ファームポンド)。かん水量は1農家20㌃(6台)を1巡とし、2巡目以降は降水量を基に判断する。優先順位は夏植用種苗、春植え、株出し、夏植え、畜産農家から要望があれば草地。
宮古島地方気象台によると、4月下旬ごろから雨の少ない状態が続いており、降水量(4月21日~7月5日)は平良下里が209㍉で平年比42%、下地島が124㍉で27%、鏡原が191㍉で41%、城辺が192㍉で39%となり、多良間仲筋は272・5㍉で62%だった。6日に発表された沖縄地方の1カ月予報では太平洋高気圧に覆われやすいため降水量は平年並みか少なく、特に期間はじめは少ない状態が続く所があると予想している。
県宮古農林水産振興センター農業改良普及課はサトウキビの被害状況について、かん水施設の無い地区ではロール現象が目立ってきたが、水を利用している地区では旺盛な成長を見せているという。
石川会長は「水の無い地区は早めの対策で農作物の被害を最小限に抑えるよう取り組みたい」と話した。