農畜産物加工施設 指定管理を一転可決 市議会最終本会議
宮古島市議会(上地廣敏議長)は30日、6月定例会の最終本会議を行った。経済工務委員会で否決されていた農畜産物加工施設の指定管理案は、一転して可決された。市の財政負担を懸念する意見に対し、修繕費をすべて事業者負担にするという当局の再説明が功を奏した形。一方、総務財政委員会で全会一致の可決を得ていた平良庁舎利活用の条例案は、反対意見が出たため多数決での採決となった。結果として、全議案が原案通り議会を通過した。
市の指定管理制度は、5万円以上の費用がかかる修繕は管理者ではなく市が負担するのが原則。経済工務委では、老朽化した施設を市が管理することを疑問視され、無償賃貸などが望ましいとして、提案を否決した。市はすべての修繕費を事業者負担とする合意を得たとして、委員会に再説明。議案可決に理解を求めた。
本会議では、指定管理案と旧平良庁舎を民間資金導入で利活用する(PFI)条例案に対し、新里匠氏が反対の立場から討論。新里氏は2議案の目的については賛同するとした上で、解体費用など将来的な市の財政負担を疑問視。
同氏は物件費などの増加により収支が悪化していくとする市の長期財政ビジョンに触れ、「売却した場合は売却益だけでなく、固定資産税も徴収することができる。解体費用も市が負担しなくて済むなどの利点がある。もっと真剣に将来の財政を考えなければいけない。物件費を下げるという一つの筋を持って、政策・行政を進めていかなければならない」と述べた。
指定管理については砂川和也氏が、旧平良庁舎については山下誠氏が賛成討論。それぞれ新里氏の指摘に理解を示したうえで、砂川氏は「ネックになっていた修繕費の持ち出しはなくなった。市ではイモ農家が増えており、安心して生産できる体制は重要。3年間の指定管理の間に今後の方針を決めてほしい」と発言。山下氏は「PFIが実施できるかは、事業者を公募していくなかで決まること。できる状態を整えるために賛成する」と述べた。
議決権を持つ23人の議員のうち、1人が最終本会議を欠席。指定管理は13対9、PFI条例は14対8の賛成多数で可決された。総務財政委所属の議員には、委員会の採決と意見を変えて反対に回る人もいた。