カツオ1.3㌧空を舞う 海神祭で大盤振る舞い
宮古島市各地の漁港で海神祭が祝われた21日、佐良浜漁港では4年ぶりに「オオバンマイ(大盤振る舞い)」を実施。カツオなどの切り身を漁船の上から岸壁に集まった人たちに投げ入れる伝統行事で、この日は1・3㌧のカツオが空を舞った。待ちに待った再開に、地元住民だけでなく、市民の見物客や観光客などが大勢詰めかけ、漁港は大変な賑わいを見せていた。城辺から見学に訪れた福嶺小学校の児童らの姿もあった。
カツオ漁が盛んな佐良浜地区では、宮古島市の中でもひときわ盛大に海神祭が祝われる。昨年は3年ぶりにパレードを行うなど、コロナ禍の規模縮小から少しずつ本来の姿に戻り始めていたが、ことしは一番の目玉イベントであるオオバンマイが復活した。
むき出しの切り身が投げ入れられるため、参加者の多くは血で服が汚れないようレインコートなどで防御。大きく「ココに入れて」と書いた段ボール箱を掲げて懸命にアピールする人もいるなど、漁港は熱狂的な活気に包まれていた。
第五喜翁丸の先頭に立ち、軍手を真っ赤に染めていたのは、伊良部島中学校1年生の漢那仁くんと弟の諒くん(小5)。お父さんが喜翁丸の船長を務めているという。諒くんは「1年生の時にも船の上に立った。4年ぶりにオオバンマイができてとても楽しかった。大人になったら漁師になって自分で捕ってきた魚を投げたい」と笑顔。仁くんは医師を目指しているという。
福嶺小学校は教職員が全児童を引率してオオバンマイを見学。児童らは「初めてだけどとても楽しくて、来年もまた来たい。カツオがたくさん取れたので、みんなで分けてお家に持って帰る」と話した。伊良部島小学校でも、伊良部地区から通っている児童の中には、初めてオオバンマイを体験する子どももいた。
伊良部漁協の伊良波宏紀組合長は「4年ぶりだったということもあるだろうが、予想以上のにぎわいで、地元の人にとって大切な行事であることを改めて実感した」と述べた。