業界14団体と意見交換 観光産業の回復加速を
玉城デニー知事は22・26日の2日間で、県内の観光産業関連14団体と意見交換会を開催。観光業のコロナ禍からの回復加速と、「世界から選ばれる持続可能な観光地」づくりを目指すもので、2023年度の振興施策などを説明した。入域観光客数の目標値は18年度の実績1千万人より少ないが、平均宿泊日数の延伸などで1人当たりの消費額を増やすことにより、同年度を超える観光収入を目指す。団体からは人手不足の支援を求める声などがあった。
意見交換会は、県の方向性や具体的施策を実効性のあるものとするため、観光業界関係者の声を目標値の設定に反映させる趣旨で行われた。両日ともに7団体ずつと面談。運輸・旅行・宿泊業などが参加した。
22年度の入域観光客数は前年度比350万人増の677万人。国内客はコロナ禍以前の18年度と同程度の水準まで回復したが、外国客の戻りは3割ほど。県は今後も国内客は順調に推移し、外国客については国際線の再開状況を注視する必要があるとした上で、段階的な回復が期待されるとしている。
23年度は国内外の需要を取り込むための誘客・路線誘致活動に取り組むほか、喫緊の課題である人手不足解消の支援に取り組む。また伝統文化の継承・発展、スポーツアイランドの形成にも注力する。
国内客の誘致では、航空会社との連携により、乗り継ぎ需要も含めた沖縄未経験者層の新規需要開拓に取り組む。またビッグデータを活用した観光客動態調査で、よりきめ細やかにニーズを把握するという。
23年度の入域観光客数目標は843万人。平均泊数を3・27泊に伸ばし、人泊数を2587万人泊にすることなどで、一人当たりの観光消費額を18年度の7万3374円から9万6239円に増加させる方向性を示している。これにより、18年度の7341億円を上回る観光収入8113億円の達成を目指す。
業界団体からは、▽人手不足で施設が十分稼働できず、提供サービスの質が維持できない▽コロナ禍による多額の債務が観光事業者の財務状況を悪化させている―として、実態の把握や具体的支援を求める声が上がった。また、外国人材活用に向けた特定技能制度の緩和や、二次交通整備を求める意見もでた。