事業者に安全を呼びかける粟國支部長(手前右)ら =下地与那覇の前浜ビーチ

宮古島海保「安心安全に楽しんで」 大型連休を海難ゼロに

 「春季大型連休安全推進活動期間」が始まった29日、宮古島海上保安部(福本拓也部長)は、前浜ビーチとトゥリバー地区でパトロールを実施。レジャー事業者などに協力を求めるとともに、観光客などの遊泳客に「安心安全に海を楽しんで」と呼びかけた。5月8日まで、海難ゼロを目指した活動が全国で展開される。パトロールには、県ウォータークラフト安全協会宮古島支部(粟國将一郎支部長)の海上安全指導員も同行した。
 海上保安庁は、大型連休にはマリンレジャーが活発になり海難が増加する傾向にあるとして、29日から5月8日までを海の安全推進活動を強化する期間と定めている。過去3年間の全国平均で、4、5月の1月あたり海難数は、11月~3月に比べ約4割増えている。
 海上保安部職員と安全指導員らは、事故防止のポイントなどをまとめたリーフレットを配布しながら、海難防止の啓発を行った。
 同部の土屋智樹交通課長は「特に観光客の方は開放感があると思うが、その中でも順守事項をしっかりと守り、安心安全に楽しんでほしい」と呼びかけた。また、「事故があると宮古島の観光イメージも悪くなってしまう。海難ゼロを目指し引き続き取り組んで行きたい」と語った。
 安全指導員でもある粟国支部長は「今回だけでなく、月に1回程度はパトロールを実施する。安心安全な宮古の海を作るため、法令を守らない事業者を監視していきたい」と述べた。前浜ビーチでは今年度から、水上バイクなどの運航を規制する条例が施行されている。粟国支部長は「無許可の事業者がいなくなった。この条例をきっかけに、どんどん取り組みを広げてほしい」と期待を寄せた。
 前浜ビーチでは現在、市から指定管理者に指定された3事業者のみが営業している。事業者は「ブイの中が遊泳区域だが、条例を知らずに水上バイクの発着場周辺で泳ぐ人もいる。見かけた場合は注意を促すようにしている」と述べた。
 兵庫県から来たという家族連れの観光客は「去年も宮古島に来たが、『近くで水上バイクが動き出すから注意しよう』などと話し合いながら遊んでいた。条例のことは知らなかったが、ことしはそういったことを気にせず、安心して泳げていると思う」と話した。

関連記事一覧