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10対11の賛成少数となった副市長同意案採決 =市議会本会議場

宮古島市議会 賛成10反対11で副市長同意案を否決 嘉数登氏(県知事公室長)起用できず

 宮古島市議会(上地廣敏議長)の3月定例会は23日、県の知事公室長を務める嘉数登氏を新たに副市長として起用する同意案を審議。座喜味一幸市長が同日提案したものだが、質疑では野党を中心に多くの議員が反発。10対11の賛成少数で否決された。中立系の2氏は退席した。現職の伊川秀樹副市長は今月末で退職する予定のため、座喜味市政は4月1日からは再び副市長不在の事態を迎える。伊川副市長は最終本会議を欠席した。       
 座喜味市長は嘉数氏を副市長に起用する同意案を提出する理由について、「伊川副市長が3月31日をもって退職するので、後任の選任について議会の同意を得る必要があるため」と説明。
 複数の議員が「事実上の解任ではないか」、「伊川氏が辞表を提出しなければ副市長を続けられたのか」と追及。市長は「伊川副市長にはご理解をいただいている」と繰り返した。
 討論では反対の立場から野党の粟国恒広氏と下地信広氏が発言。粟国氏は「なぜ任期途中に副市長を代えるのか、納得できる答弁ではない。嘉数氏に代えることでどのような市政運営をするのかという点も明確に示されていない」とした。下地氏は「副市長が納得して退職届を出したとは思えない。市長の傲慢さが生んだ人事案で、副市長の胸中を思うと到底賛成できない」と訴えた。
 賛成の立場では与党の山下誠氏と長崎富夫氏が発言。山下氏は「公約を効率的に実現するために、伊川さんに了解を得て、嘉数さんを招きたいとのことと理解している。同意案は嘉数氏を副市長に招くものであり、嘉数氏の人物像に対する反対は一つもなかった」と述べた。長崎氏は「市長が私たち与党にも説明をする場もないまま唐突にマスコミ報道が出たため、市民も議会も混乱した」と矛先を報道各社に向けた。
 採決を前に中立の狩俣勝成氏が「以前も進め方が間違っていると思った案件があったが、政策をスピーディに進めてほしいとの思いで賛成した。同じようなことが繰り返されたため、抗議の意味を込めて退席する」と発言。砂川和也氏とともに議場を後にした。
 与党7人と中立3人の10人が賛成に手を上げたものの、野党11人全員が反対したため、同意案は賛成少数で否決された。

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