市内住宅地7.7%上昇 23年地価公示、郊外地の上昇傾向続く
沖縄総合事務局は22日、国土交通省の2023年1月1日時点の地価公示結果を公表した。市内の地価変動率(全用途)は前年比6・6%上昇し、石垣市(9・9%)に次ぐ県内2番目の上昇率だった。市内住宅地は前年比7・7%上昇し、なかでも上野野原東方原1104は19・6%と県内の住宅地として最高の上昇率になるなど、22年に続いて郊外の地価は上昇傾向だ。市内の地点別地価1位は、商業地の平良西里羽立391外(ジブラルタ生命)で、1平方㍍当たり3・9%上昇の9万8200円だった。
県内の住宅地上昇率で最も高かった上野について同事務局は、陸上自衛隊基地周辺整備や大型商業施設開業により、生活利便性が向上したことなどを要因と見ている。
地価上昇により市街地の住宅が高価格となったことで相対的に割安感がある郊外の既成集落で引き合いが強まり、供給側の地価上昇に対する認識も広がったことで、城辺福里で5・6%、城辺字比嘉では12・7%とそれぞれ上昇した。
また、これまで低金利下と住宅ローン減税の効果で購入可能であった所得層から、比較的資金力のある層に主たる需要者が移りつつある傾向も見られるという。
商業地の市内上昇率は3・5%となり、前年に続いて上昇した。新型コロナ禍で落ち込んでいた観光入客数の回復傾向や観光需要増加に対する高い期待感から、投資控えの傾向にあった島外資本の流入が継続したことなどが原因と見られるという。
県全体では、住宅地は2014年以降上昇に転じ、23年の上昇率は前年より2ポイント高い3・6%となった。商業地は2013年まで22年連続で下落していたもののそれ以降上昇に転じ23年は2・7%、工業地は14・1%それぞれ上昇した。
地価分科会代表幹事の仲本徹氏は、「新型コロナの終息感もあって、観光客数の回復傾向で取引が増加しており、宅地需要は高まっていると見られる」と分析した。