23年度の一般会計当初予算案を審議した予算決算委員会 =市議会全員協議室

友利線で予約制実証へ 路線バス、需要無ければ廃線も

 宮古島市(座喜味一幸市長)は6月から、市の生活路線バスのうち城辺地区を運行する友利線で、オンデマンドの予約制を導入する実証事業を実施する。同線の利用者が減少し県の定める補助要件を満たさない状況に陥っているため行うもので、2023年度一般会計当初予算案に1019万円を計上。市はできる限り路線を維持する方針だが、需要が見込めない場合は廃線の可能性もあるという。6日に開かれた市議会3月定例会の予算決算委員会(下地茜委員長)で、事業を所管する企画政策部が説明した。
 沖縄県は自家用車の普及などにより路線バスの利用者が減少していることを踏まえ、地域住民の移動手段に必要な公共交通を確保するため、生活バス路線に補助金を交付している。路線の選定は各市町村が行い、宮古島市では現在7路線が補助を受けている。
 1日当たりの平均利用者が2人以上などの補助要件があるが、友利線の乗客数はそれを下回っているという。コロナ禍による特例として利用者の下限が撤廃されており、補助金交付が継続されている状況。
 生活路線バスとして認定できなければ路線維持のための支援ができないため、新たな公共交通を検討する実証事業を行う。新たな需要喚起により利用者を増やす狙いもある。
 主に下北・下南・砂川地区の住民に登録をしてもらい、予約制で運行するもの。希望時刻の30分前までに予約をすると、送迎バスを利用することができる。運行は1人から行い、受付は月曜日から土曜日の午前9時から午後5時まで。運行は6月から来年2月までの9カ月間を予定。
 委員からは「補助要件を満たしていないとのことだが、廃止はできないのか。また、実証事業を実施しても利用者が増えなかった場合はどのような対策を取るのか」との質問が出た。
 当局は「生活路線バスは地域の皆さまにとっては大切な足であり、これから免許返納者が増える可能性もある。できれば存続させたいが、実証を通して需要が見込めないとなった場合には、路線の廃止も含めて検討しなければならないと考えている」とした。
 6日の委員会では、当初予算の歳出のうち総務費や民生費、土木費などを審議。7日は残る衛生費・農林水産業費・教育費と歳入の審議と、討論・表決を行う予定になっている。

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