〝耕作放棄地なくそう〟 市農業委農地パトロール
2022年度耕作放棄地解消活動及び農地無断転用防止活動として市農業委員会(芳山辰巳会長)は24日、市内で農地パトロールを行い、違反転用や遊休農地などの現状を確認した。パトロールには朝早くから農業委員や行政関係者ら約40人が参加し、無断転用などが行われている疑いのある平良、城辺、伊良部、上野、下地の6地区21カ所を回った。同委員会は今後、使用者や転用者らに農地の適正利用を呼び掛けていく。
同パトロールは、8月から11月に全国統一的で行われる農地パトロール月間の一環として、農業に携わる関係機関と連携してパトロールを実施し、遊休農地及び違反転用の発生防止・解消対策に繋げていくことを目的に行われている。
農地法では農業委員会は農地の公的管理を主体として食料の生産基盤である優良農地の確保と有効利用の促進を図っていくことが求められている。市農業委員会においてもこの目標達成のため、①遊休農地の実態把握と発生防止及び解消②農地の違反転用発生防止対策等について重点的に取り組む農地パトロールを実施している。
同出発式で芳山会長は「宮古島市では地域の農地利用の確認と共に詳細な農地利用状況調査を実施し、耕作放棄地の早期発見や所有者への市道、担い手へのあっせん等を行っている。また、島外においても、農地の不在地主相談会を実施し、『黙認耕作の解消、及び地元担い手への利用集積』など、農地の適正促進に取り組んできた。今後も遊休地や耕作放置地及び農地の無断転用の防止に務め、継続して農地の適正利用を呼び掛けていきたいと思う」とあいさつした。
参加者らは出発式の後、同委員からの情報提供を基に作成されたマップに記された地区を回り、質問や意見を交わすとともに現状を把握した。
1カ所目は一時転用違反・遊休農地だと疑われる、上野字新里の農地を確認。関係者によると同農地は工事のための駐車場スペースとして約1年間建設事業所に貸し出している土地で、その後期限が切れたまま第三者に転用され駐車場として使われている。
芳山会長は「本来なら、建設事業者が畑に復元して所有者に返すべきところが、第3者がそのまま使っている状態になっている」と話し、建設事業者にはこれから復元命令を出すという。