目標達成・悪化ともに9件 健康増進推進委、健康みやこ21で最終評価
宮古島市健康増進計画推進委員会(会長・座喜味一幸市長)は2日、市役所で会議を開き、第二次健康みやこじま21「平均寿命最下位脱出プロジェクト」の最終評価を行った。21の評価項目中、目標を達成したものと計画開始時より悪化したものがいずれも9件ずつとなった。10年度に県内41市町村中最下位となった男性の平均寿命は、15年度の調査で35位となっている。23年度は準備期間に充て、24年度から第3次計画を開始する予定。
宮古島市の男性平均寿命は、15年度79・9歳。10年度の78・0歳からは改善されたが、国の80.77歳、県の80.27歳より低い値。女性は10年度86.2歳で県内ワースト2位、15年度は87.0歳で36位となった。国の87・01歳とほぼ変わらないが、県の87・44歳よりわずかに低い。
国民健康保険の特定健診受診者のうち、高血圧は59・8%から47・7%、脂質異常症は16.2%から9.9%にそれぞれ減少している。一方でメタボリックシンドロームの該当者・予備軍の割合は41.9%から46.6%に増え、脳血管・虚血性心疾患による死亡者も増加している。
現象が矛盾しているのではないかとの議論が交わされ、委員から「近年効果の高い薬が開発され、症状が抑えられるようになった。薬でカバーされているだけで、根本的な生活習慣が改善されていないのではないか」との意見が出た。
糖尿病患者の増加抑制、血糖コントロール不良者と合併症患者の減少は目標を達成。一方で治療を継続している人の割合は62.7%から61.4%に減少した。計画目標は75%。
がん検診は受診率50%を目標に掲げていたが、21年度は胃がんが男女とも3%台前半、肺がんが9%前後、大腸がんは男性6.7%、女性8.2%と低迷。子宮頸がんは24.7%、乳がんは18.7%。いずれも11年度より悪化している。
コロナ禍でがんの集団検診が中止されたことや、小さな公民館でも実施していた集団検診が、市役所や旧町村部の中心的な大きな施設のみに変更されたことが受診率低下の一因として考えられるという。公民館の使い勝手改善など利便性向上を求める意見があった。
国が来春発表予定の「健康日本21」の最終評価などを参考にしながら、市の第3次計画を策定する。