市、小田原短大と基本協定 保育士資格へ通信教育
小田原短期大学などを運営する三幸学園(東京都、昼間一彦理事長)は来年4月、同大保育学科通信教育課程のスクーリング授業を実施する「宮古島スクール」を開設する。宮古島市(座喜味一幸市長)と学園側が12日、連携に向けた基本協定を締結した。宮古島市で初めて、市に住みながら保育士資格や幼稚園教諭二種免許状などが取得できる通信教育の拠点が整備されることとなる。未来創造センターなど市の施設を利用するという。
全国的に保育士が不足していると言われる中、市は沖縄本島の学生を対象に就職説明会を開催するなど、保育士の確保に向けてさまざまな取り組みを行ってきた。学園側から「宮古島スクール」開設の提案があり、連携協定に向けて協議を重ね合意に至ったという。
2年間の小田原短大通信教育課程を修了することで、保育学の短期大学士と幼稚園教諭二種免許状を取得することができる。保育士資格を取得する場合は、実習などのために3年間学ぶ必要がある。
学習は基本的に教科書と同短大オリジナルの学習の手引きを使用して自宅で進め、オンラインで受ける中間試験や科目修得試験に合格すると単位取得となる。実践的な技術が必要な科目では、対面のスクーリングを実施。週末や3連休を利用して実施されるため、社会人でも出席しやすいことが特徴という。オンラインの動画配信で学ぶスクーリングもある。
現在小田原本校のほかに2カ所のスクーリング会場があるが、23年4月から新たに宮古島市と北海道千歳市に開設する計画。市から離れることなく資格を取ることができるようになる。入学者数は1学年20人程度を予定している。
学費は2年間で教材費を含めて60万円台。通信教育は途中で学習を断念する人が多いと言われているが、同短大は履修や学習の進め方などを相談できるキャンパスアドバイザー制度を導入することで、80%以上の資格修得率・卒業率を達成しているという。
座喜味市長は「画期的な事業に当たり、公共施設の利用や実習生の受け入れなど、全面的な協力をしたい。三幸学園と連携を取りながら質の高い保育を提供し、子育てがしやすい島であるようしっかりと取り組んで行きたい」と述べた。