周辺用地明渡し〝再考を〟 市議会が意見書 農振地計画変更で決議も
29日の市議会9月定例会最終本会議は、議員提案で「下地島空港周辺の県有地明け渡し再考を求める意見書」、「宮古島農業振興地域整備計画変更に伴う県同意に宮古島市の意見を尊重するよう求める決議」の2件を全会一致で採択した。宛先は県知事など。
県は下地島空港周辺の県有地で耕作する農家に対し、51年前に当時の琉球政府が使用するまで耕作を認める際に「耕作中及び明け渡し時の各補償を行わない」との確認書に基づき、無条件での明け渡しを求めている。市議会は明け渡しによって農家の生活や暮らしに影響するとし、「県民の生命・財産を守る観点から影響を最小限に抑える手立ての必要性を禁じ得ない」と指摘。
この上で観光リゾート・コミュニティゾーンでの施設建設予定など、利活用事業の進展を歓迎し、遅延を招くものではないとする一方、明け渡しに関する柔軟な対応と配慮を求めるとともに、「農家は段階的明け渡しや県有地の賃貸借契約および農業用ゾーンの拡大を希望している」とし、▽県有地で耕作を続ける農家および宮古島市との対話を継続▽利活用事業の進ちょく状況を丁寧に説明する│よう県知事に要請する。
農振地整備計画変更では、宮古島市の基礎調査で土地利用者からの変更申請件数が前回の3倍となる270件以上となり、県との協議が進まず、県の同意基準に基づいた見解に不満があると言及。
決議では、「第1種農地についての分析要因」と「農業振興地域除外」について宮古島市の意見を尊重することと、地域実情を鑑みた措置・配慮、県の農地転用許可審査基準見直し、市独自の農地転用許可基準策定の推進について県知事、県議会議長、県農林水産部長に求める。