女性社長率が過去最高更新 沖縄が4年連続全国1位
東京商工リサーチが27日発表した「第14回全国女性社長調査」によると、2025年時点で全国の女性社長数は68万4669人となり、前年より3万5407人(5・4%)増加し、女性社長率(全企業に占める割合)は15・55%と過去最高を更新したという。都道府県別では沖縄県が20・65%で4年連続で首位となった。背景には、女性の社会進出の拡大や地方創生における起業支援、後継者不足による事業承継の流れなどがあるとみられる。特に、小規模事業や家族経営、介護・福祉・観光関連業などで女性リーダーが台頭している。
同社の調査は全国約440万社を対象に実施。女性社長数は15年前の10年(21万2153人)に比べ約3・2倍に増加。業種別では「サービス業他」が最多の34万3476人(構成比50・1%)で、飲食・宿泊業や介護事業など生活関連分野に集中している。
平均年齢は65・2歳で、男性社長(63・6歳)を1・6歳上回った。年齢別では70代が最も多く、全体の25・3%を占めた。従業員規模別では、5人未満の小規模企業が62・1%、売上高1億円未満が70・5%と、地域に根ざした零細・中小企業が大半を占める。女性社長の多くは地元の雇用を支える事業主であり、地域経済や暮らしの基盤を支える存在となっている。
沖縄県に次いで女性社長率が高いのは、島根(17・67%)、高知(17・69%)、長崎(17・06%)の順で、九州・中国地方が上位を占めた。全国平均を下回った都道府県は最下位の岐阜県(9・93%)、山形県(9・59%)の2県。2県は前年に続き10%未満となった。
同社は「女性社長の増加は、地方での雇用創出や産業の多様化につながる好機。沖縄は観光・飲食・小売を中心に女性リーダーが地域をけん引しており、全国のモデルケース」と分析している。
一方で課題として女性社長の高齢化が進む中、後継者育成や経営承継の仕組みづくりが急務。特に調査では「女性経営者の増加が地域経済の活性化に直結するよう、行政・金融機関・教育現場の連携が重要」と小規模事業者では、事業の存続と人材育成の両立が浮かび上がっている。
沖縄県が女性社長率で全国首位となった背景について、報告書では「観光やサービス業の裾野が広く、家族経営や地域女性の社会参加意識が高い。副業・起業のしやすさも後押ししている」と分析している。
また、10万人当たりの女性社長は東京都の2459人が唯一の2千人超え。次いで山梨県と沖縄県が1459人で同数、大阪府1452人。最少は新潟県506人で、次いで山形県527人、島根県531人だった。


