会見を開いた川満院長(左)と松元事務部長 =28日、宮古病院

血液・腎臓内科で体制ひっ迫 宮古病院 専門医不足、離島医療の最大課題

 宮古病院(川満博明院長)は28日、血液内科および腎臓内科の専門医不足に関する会見を開き、現状と今後の対応方針を説明した。離島における専門医の確保が困難な中、血液内科では診療回数を減らさざるを得ず、一部患者を那覇市など島外医療機関へ紹介している現状。腎臓内科でも来年度の医師確保が困難となっており、オンライン連携などによる補完体制の整備を進めるとのこと。
 説明によると、血液内科ではこれまで月3回、島外から2人の専門医が来島して診療を行っていたが、そのうち1人が体調不良のため来島できなくなり、現在は月2回の診療に減少。「3回分の診療を2回で対応するのは到底不可能で、安全確保の観点からも一部の患者は島外での治療をお願いしている」と述べた。
 対象となるのは白血病やリンパ腫など高い専門性を要する疾患で「治療の安全性を考慮し、当面は那覇の医療機関での継続治療が必要」とした。
 宮古病院では現在、新たな血液内科医の確保に努めており、今後の診療拡充が可能となれば、島外通院中の患者を再び受け入れる意向も示した。しかし「現時点では見通しが立っていない」とのこと。
 一方、腎臓内科では現在1人の専門医が診療を担っているが、来年度の医師確保が困難な状況にあるという。松元博久事務部長は「再来年度には目処がついているが、来年度は全国的にも腎臓内科医が減少しており、非常に厳しい状況」と説明した。
 透析治療については、内科医や外部応援医師による診療体制を維持しつつ、沖縄本島の中部・南部病院と連携したオンライン診療の導入を進めているとのことで「オンラインで本島の専門医と透析室を結び、緊急時や診断判断を支援できる体制を実証中。電子カルテの共有なども整備し、来年度には本格運用を目指したい」と現在の取り組みを説明した。
 川満院長は「専門医の確保は離島医療における最大の課題。オンライン連携など新しい仕組みを活用しながら、島民が安心して医療を受けられる体制づくりを継続したい」と述べ、市民に理解と協力を呼びかけた。

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