市社協の設立20周年記念社会福祉大会では「共に生きる」社会を築いていくなどした大会宣言を採択した =マティダ市民劇場

「共に生きる」社会を築く 市社協社会福祉大会 設立20周年で決意新た

 宮古島市社会福祉協議会設立20周年記念社会福祉大会が24日、マティダ市民劇場で行われた。市社協や市など関係者が節目に、これまでの歩みを振り返り、今後も地域の一人ひとりが主役となる「誰ひとり取り残さない」地域福祉の実現を確認した。また「地域の支え合いの仕組みづくりを進め、共に生きる社会を地域全体で築いていく」などの大会宣言を採択した。地域福祉に尽力した個人、団体への表彰などや島村聡氏(沖縄大学名誉教授)の「宮古島から描く共生社会の未来」と題した基調講演も行われた。
 主催者の野原勝会長は「市社協は設立以来、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるまちづくりを目指して活動してきた。現在高齢化や人口減少、子どもの貧困など複雑かつ多様な福祉課題が顕在化している。特に離島という地理的特性の中で地域全体で支え合う体制の構築がより一層求められている。20周年の節目にこれまでの歩みを振り返り、今後の地域福祉のあり方を共に考える機会とするとともに未来を見据えて新たなスタートとしたい」とあいさつした。
 嘉数登市長は「市社協をはじめ市民の皆さん、地域の団体や企業が互いに手を携えて誰もが安心して暮らせる地域づくりに努めていきたい」と述べた。
 県社会福祉協議会の湧川昌秀会長(代読)は、市社協の幅広い年代で「共に生きる社会」について考え、多様性を尊重する意識の醸成への取り組みを評価し、成果に期待した。市議会の平良敏夫議長、県宮古福祉事務所の大城久和所長も祝辞を述べた。
 大会宣言では「高齢化や子育て世帯への支援、障がい者福祉、経済的困窮や孤立の問題など多種・多様な問題が複雑に絡み合っている。そうした中にあっては小さな気づきや寄り添う心、日常の支え合いが地域の力となり、誰もがその人らしく生きられる社会へとつながる大きな力になる。市社協がスローガンに掲げる『ふだんのくらしのしあわせづくり』という視点と理念を胸に困りごとを抱える人々に、気づき・つながり・支える支援体制を充実させ、孤立を生まない地域づくりを推進する」などとの決意を新たにした。
 島村氏は、基調講演した「宮古島から描く共生社会の未来」では「孤立を防ぎつながる地域へ~高齢者の孤立や子どもの貧困・虐待・孤立といった社会問題に光を与える~」の演題で話した。

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