広報啓発活動を行った宮古島警察署と宮古島地区防犯協会 =琉銀・宮古支店前

『+』がつく着信には出ないで 詐欺被害防止へ街頭キャン 年金支給日に合わせ

 年金支給日と全国地域安全運動(11~20日)に合わせ、宮古島警察署と宮古島地区防犯協会は15日、琉球銀行宮古支店前で特殊詐欺被害防止を呼びかける広報啓発活動を行った。銀行利用者に注意喚起を行いながら、防犯意識の向上を図った。同署生活安全課の大兼久明警部補は「9月末現在、管内の特殊詐欺件数は減少傾向にあるが、被害額は約985万円と依然深刻。国際電話を装った詐欺が多く、電話番号に『+』がつく着信には出ないことが重要」と注意を促した。
 活動では、「STOP詐欺」「ニセ電話詐欺」などと書かれたのぼりを掲げ、来店客にパンフレットと菓子を詰め合わせた啓発グッズ約50セットを配布。最新の「サイバー犯罪撃退BOOK」とともに、特殊詐欺やSNS型投資詐欺、ロマンス詐欺の被害防止を呼びかけたチラシも同封した。
 チラシには、国際電話を悪用した詐欺対策として「国際電話利用休止の申し込み」や「防犯機能付き電話機の活用」などが紹介されている。
 また、同防犯協会の狩俣勝成さんは「年金支給日に合わせ、1円でも詐欺被害にお金が渡らないようにすることが目的。地域全体で協力し、防犯意識を高めていきたい」と語った。
 県内では9月末から今月にかけ、架空請求や還付金詐欺が後を絶たず、被害が相次いでいる。9月29日には本島中部の男性が「口座が犯罪に使われている」とうその電話を受け、現金94万円をだまし取られたほか、浦添署管内では30代の被害者が警察官を名乗る者らに複数回の振り込みを指示され、総額約1250万円を失うなど、被害は拡大している。警察は「公的機関が電話で金銭を要求することはない」と注意を呼びかけている。
 さらに4日、本島北部で60代女性の携帯電話に、「+18」から始まる電話番号から電話があり、NTTファイナンシャル社職員をを装った者から「未払いがあり裁判になる」と告げられた。不安をあおられた女性は、犯人が指定した口座に現金25万円を送金させた上で、電子ギフトカード5万円分を購入、番号を伝え、だまし取られる被害もあった。
 同日、本島中部の男性も電話会社職員を名乗る者から「天気予報サイトの利用料30万円」として現金をだまし取られる被害も発生している。
 警察は不審な電話があった場合、すぐに家族や最寄りの警察署へ相談するよう呼びかけている。

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