
危険業務従事者叙勲に宮古関係2人
政府は11月3日付で「第45回危険業務従事者叙勲」の受章者を発表した。全国で3605人が受章し、沖縄県内は49人で宮古関係は2人。警察功労で瑞宝双光章の島尻功さん(73)=平良西里=、海上保安功労で瑞宝単光章の砂川克冶さん(66)=平良下里=が受ける。受章の知らせに島尻さん、砂川さんとも控え目に喜びを見せ、支えてくれた家族、友人らに感謝の言葉を語った。
◆島尻功さん(73)・瑞宝双光章(警察功労)
支え、応援に感謝

島尻功さんは「受章していいかという戸惑いと(これまで)支えて応援してくれた方々に感謝の気持ち」と話した。警察官だった父の背中を見て警察官を志した。45年勤務し、今回の叙勲受章に父を支えた母が喜んでくれたことが1番うれしそうだった。
主に交通畑を歩んだ。印象に残っていることは、伊平屋島にダイビングで来ていたグループのリーダーらが飲酒運転で仲間を死亡させた事故を挙げ、「非常に悲惨な事故だった」と語った。
「交通事故、特に死亡事故は悲惨であり、被害者もそうだが加害者も厳しい。事故を起こすと思って運転している人はいない。ほんの気の緩みで起こしてしまうので安全運転をお願いしたい」と呼び掛けた。
後輩には「若い人は体力をつけて理論武装して、しっかり住民を守ってほしい」と話した。
島尻功(しまじり・いさお) 宮古島市平良出身。1952年2月17日生まれ。73歳。宮古高校卒。琉球警察(現沖縄警察)に入り、旧具志川署(現うるま署)を皮切りに旧普天間署(現宜野湾署)、宮古島署などで勤務。退職後再任用で運転免許センター宮古支所の講師を務める。
◆砂川克冶さん(66)・瑞宝単光章(海上保安功労)
受賞に控え目「光栄」

海上保安官として38年間勤務してきた砂川克冶さん、叙勲受章の知らせに「光栄だが与えられた仕事をやってきたので貰っていいのか」と控え目に話した。
専門は調理で長年、巡視船などで乗組員に料理を提供してきた。「事件が起きると実況見分や取り調べも行った」と振り返る。また「子どもと遊んでいる時でも呼び出しがかかったら行かないといけなかったので(子どもには)大変な思いをさせた」とも話した。
さまざまな事故、事件に対応してきたが那覇勤務時代に慶良間島付近でサバニの男性を救助したことが思い出されるという。「時化(しけ)のなか男性の手を掴み(船に)引き上げた」と語った。
後輩に対しては「人が相手の取り調べは、ゆっくりと話を聞きながらやっていくしかない」とアドバイス。後輩については同じ海上保安官を目指した自身の子どももおり、その話になると笑顔を見せた。
砂川克冶(すなかわ・かつじ) 宮古島市平良出身。1959年1月22日生まれ。66歳。宮古工業高校卒。海上保安学校卒業後、第十一管区海上保安本部の那覇・宮古島・石垣海上保安部巡視船等で勤務。1991年退職。