車が一台しか通れず事故も懸念される与那地道線沿いの防風林(提供)

道路美化体制の脆弱さ追及 市議会一般質問 市道970㌔を7人で管理

 開会中の宮古島市議会9月定例会の一般質問で、道路環境の改善をめぐり砂川和也氏と西里芳明氏が相次いで問題を取り上げた。雑草繁茂や暴風林拡大、市職員による放置されたごみの見逃し、わずか7人で行うと判明した作業体制の課題が浮き彫りになり、市は除草依頼や活動団体への暴風林などの対応を進めつつ、作業効率化や財源の弾力的活用を検討する姿勢を示した。
 砂川氏は現場での写真を用いて、視界不良を招き、交通事故の危険性が高まるとして城辺の市道333号線の雑草繁茂や与那地線の暴風林の拡大を示し、交通安全の確保へ早期対応を要請したほか、市民ごみ集積所以外に排出されたごみを公用車で通行する職員が数日間も見逃していた事例を挙げ、「市民が通報するまで放置するのか」と現場での初動対応を徹底するよう訴えた。
 西里氏は、市道の総延長が県内最長規模(約1500路線・延長970㌔)であるにもかかわらず、除草委託が7人の体制にとどまる実態を問題視。観光路線や学校周辺を優先する年1~2回の除草計画では、全路線に行き届かず、市民の声に応じられない現状を示した。その上で、人員増強や機械化、優先度設定による効率化を求めた。
 市当局は、市道333号線について8月後半に除草を依頼済みと説明し、暴風林対策は活動団体へ委託し早期に実施するとした。
 職員のごみ見逃しについては課題を認め、通報・対応文化の定着に取り組むとした。不法投棄などの対応について市は環境衛生局への電話や窓口対応、また公式LINE(ライン)内の通報機能でも受け付けている。
 さらに道路美化事業の財源である「多面的機能支払い交付金」が手続き遅延で補正対応が続いていることを課題として挙げ、今後は当初予算計上や他財源の弾力的運用を視野に入れ、市民サービスの迅速化を図る姿勢を強調した。

城辺333号線沿い石積み雑草(提供)
燃えるごみ指定袋に入った不可熱ごみが放置されていた(提供)

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