
長寿に拍手、世代つなぐ笑顔の輪 三地区で盛大に敬老祝う
2025年度の宮古島市主催の敬老会が11日に始まり城辺、上野、下地の各公民館で嘉数登市長や宮城克典教育長をはじめ、多くの関係者が出席し、余興などで敬老者の長寿を祝い、さらなる健康を祈念した。12日午後2時からはマティダ市民劇場で平良地区を、敬老の日にあたる15日は伊良部公民館で佐良浜学区(午前10時)、伊良部学区(午後2時)の敬老会が開催される。市内の新敬老者986人を含む70歳以上の対象者は計1万1千955人。
◆下地地区
下地地区敬老会は下地農村環境改善センターで行われた。同地区で満70歳を迎える61人(男35、女26)を嘉数登市長ら多数の来賓が祝福したほか、新敬老者を代表して砂川佳弘さんがあいさつ。大勢の地域住民がさまざまな余興を披露し、市社会福祉協議会が動画で地域のお宝を紹介し、祝宴を盛り上げた。下地の70歳以上は昨年より18人増え、808人。
トーガニあやぐで幕開け。あいさつで嘉数市長は下地地区について「下地地区では、伝統芸能の「ヨンシー」が世代を超えて受け継がれ、地域の絆を深め、東洋一美しいとの声も高い前浜ではトライアスロンなどの観光振興に寄与し、一次産業が盛ん。これら地域の発展は皆さまの長年の努力の賜物(たまもの)」とたたえ、高齢化社会をより良くするためには豊富な知識と経験を生かした社会参加が不可欠だと強調した。
下地康教、新里匠両県議のほか、下地地区ゆかりの市議や地域づくり協議会会長ら関係者も敬老者のこれまでの尽力をたたえた。また舞台では下地こども園の子どもたちや婦人会、与那覇ヨンシー保存会らが趣向を凝らした余興で敬老会に華を添えた。
◆上野地区
上野地区は上野公民館(旧・上野農村環境改善センター)で行われた。今年の同地区の敬老者は昨年から24人増え、計747人。新敬老者も9人増え53人(男26、女27)だった。会場には敬老者や嘉数登市長、宮城克典教育長ら多くの来賓が駆け付け、敬老者を祝福した。
幕開けは佐渡山玉江さんによる「かぎやで風」で厳かにはじまり、ステージでは上野婦人会による祝宴の琉舞や、上野こども園ぞう組の5歳児18人によるおゆうぎなどが披露され、敬老者からは大きな拍手が送られた。
新敬老者代表あいさつは上野地区で生まれ育ち、上野中学校を卒業した芳山辰巳さんが務め、「宮古島市は今年で市制20周年を迎え、観光客が増え、活気にあふれている。このような発展は地域に伝わる伝統文化や先達の功績、博愛の心を守り続けてきた賜物(たまもの)だと考える。気持ちはまだ若く、これからも上野地域の発展のために、微力ながら協力していきたい」と高らかに語った。
嘉数登市長は「上野地域は、国指定の無形文化財『サティパロウ』など伝統行事を守りつつ、『博愛の里』として観光や農業が盛んな地域。社会をより良くするためには、皆さまの知識と経験を次の世代につなぎ、社会参加を続けることが重要」と式辞。来賓には平良敏夫市議会議長、下地康教、新里匠の両県会議員らが出席した。

◆城辺地区
城辺地区敬老会は城辺公民館(旧城辺農村環境改善センター)で行われた。同地区の70歳以上の敬老者は1729人でそのうち昨年より29人多い131人(男70、女61)が新敬老者の仲間入りを果たした。会場には約200人を超える敬老者が参加し、市や自治会、地域づくり協議会らが長寿を祝福した。
開会のことばを宮城克典教育長が務め、嘉数登市長は式辞で「城辺地区は、『城辺ふれあいまつり』『なりやまあやぐまつり』を通じた伝統芸能の継承と世代間交流により、地域力と連帯感を育んできた。皆さまの長年のご尽力によるものであり、深く敬意を表する。今後も持続的な地域発展のため、多世代が交流できる地域づくりへのご協力をお願いします」と述べ、来賓では平良敏夫議長をはじめ、下地康教、新里匠両県議も祝辞を寄せた。
新敬老者を代表して狩俣隆志さんが運営への感謝を伝えた上で「皆さん病院を好きになり、薬は喜んで飲みましょう。薬は別腹だ」と笑いを誘い、「もちろん、病気にもならず、薬も飲まずの健康が1番」とあいさつ。城辺地区地域づくり協議会の宮國恵良会長がお祝いの言葉を述べた。
舞台では地域のお宝紹介、砂川嘉澄さん(西城小6年)の作文発表、福里保育園といけむらこども園の子どもたちがゆうぎで敬老者を楽しませた。
