砂川副市長ら関係者に説明する増田氏(奥左) =市役所・市長応接室

がん医療の現状と課題 宮古圏域の体制を解説 23日午後に説明会開催

 宮古医療圏における分野別がん医療の現状と今後の方向性について説明するため、沖縄県がん診療連携協議会幹事長で琉球大学病院がんセンター長の増田昌人氏が22日、市役所を訪れた。23日に平良港ターミナルビルで開かれる「宮古医療圏でできるがん医療説明会」に先立ち、協議会で決定した分野別の短期目標を宮古医療圏向けに説明。主要ながんの現状と今後の方針を示し、医療機関集約化の必要性や専門医確保の課題について意見を交わした。


 表敬は砂川朗副市長ら関係者が対応し、増田氏は同説明会の背景について詳細を説明。増田氏ははじめに今年5月に開催された2025年度第1回協議会で決議された短期目標を紹介し、内容を踏まえて宮古圏域の現状を報告した。
 それによると消化器系では「消化器病専門医を3人以上確保し、手術可能な体制を維持する」と強調。一方、肝、胆、膵、肺や乳腺のがんについては専門医不足が顕著であり、中部や南部の医療圏に紹介する仕組みと、宮古病院での手術希望者に対して専門医を一時的に派遣する体制の構築が重要だとした。
 また、患者会から特に要望の高かった腫瘍内科外来(薬物療法)、血液内科外来、放射線治療外来についても説明。いずれも非常勤医師による月1回程度の外来が維持されているが、「安定的に医師を確保することは難しい状況。迅速なコンサル体制の確立が重要」と述べた。
 23日の説明会では「なぜ医療の集約化が進められるのか」をテーマに、がん患者数の変化や医師の減少、放射線治療装置の採算性などを取り上げる。また、宮古でがんになった際にどの医療機関を受診すべきかを具体的に説明する予定とのこと。
 砂川副市長は「県立宮古病院としっかり連携しながら、市民が安心して治療を受けられる体制を整えていきたい」と述べ、取り組みへの期待を示した。

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