
比嘉隊長、市民に対し強言 陸自宮古駐屯地 訓練監視中の市民団体と
陸上自衛隊宮古島駐屯地が5日から6日にかけて、伊良部島と下地島で実施した徒歩防災訓練のあった6日早朝、訓練途上の休憩中に、同駐屯地司令の比嘉隼人宮古警備隊長(1等陸佐)が訓練を監視していた市民団体メンバーに対し「許可を取ってこい」などと発言する場面があり、現場のやり取りは動画やSNSでも一部公開されている。一方で、比嘉隊長が周囲への配慮を求める発言も記録されている。現場は伊良部大橋たもと、「いらぶ大橋海の駅」駐車場。周辺には宿泊施設が並ぶ。

陸上自衛隊宮古島駐屯地は5日から6日にかけて、伊良部島と下地島で新隊員の徒歩防災訓練を実施した。
訓練は災害発生時に車両輸送が困難となる事態を想定し、隊員が装備品を背負って約35㌔を徒歩で移動しながら、救護搬送などを行うもの。今回参加したのは後期教育課程の新隊員で、5日夕に長山港を出発し、6日朝に救護訓練を行う計画だった。
市民団体「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の共同代表のうち、清水早子さんと上里清美さんは、6日午前6時20分ごろ、「いらぶ大橋海の駅」駐車場で訓練を監視するために待機していた。
到着した隊員らが休憩を始めると、拡声器で「きれいな朝日に戦闘服姿は似合わない」などと呼び掛けた。
公開されている動画では抗議が始まると比嘉隊長が歩み寄り「ホテルの前だぞ」と注意し、「そもそも(駐車場利用の)許可を取っているんですか」と緊急的に確認している様子が見られる。清水さんが「どこに取ればいいのか。取っていない」と回答すると「われわれは市に許可を取っている。じゃあ許可取れ早く。取ってこい」と強い口調で述べ、2人がそれに応じる様子も記録されている。
市民団体の2人はその後も行軍に同行し、佐良浜漁港に到着後の救護訓練では別のメンバーが合流。メンバーらは午前7時30分ごろから同漁港で拡声器を用いた抗議を継続した。
訓練は午前9時ごろまで行われ、隊員らは負傷者役を担架で搬送するなど、徒歩移動と救護活動の両面で技能を磨いた。
団体側はその後、市および県に確認し、市民利用に許可は不要との見解を得たとのこと。同団体は駐屯地および比嘉司令に対し、発言の撤回と謝罪を求め、駐屯地側は施設利用の許可については確認中としている。