地域住民や関係者が集い地域と自然が共生する島づくりへの勉強会を行った =7月31日夜、来間島離島センター

環境保護と観光促進 次の来間島を創造委 国定公園指定へミートアップ

 次の来間島を創造する実行委員会(大島康生代表)が主催する「ヤシガニ、ウミガメが暮らし、ジュゴンが通う島づくり」をテーマにしたミートアップが7月31日夜、来間島離島センターで開かれた。地域住民や関係者が集い、国定公園指定に向けた取り組みや保全活動の方向性について意見を交わした。
 大島代表が冒頭、これまでの活動を紹介し、専門家を招いたヤシガニやウミガメの勉強会や、タコ公園でのヤシガニ調査、ムスヌン浜でのウミガメ産卵痕跡調査などを実施してきたことを報告。「来間島での当会の活動を広く周知することで、他地域でも多様な活動が広がっていければ」と語った。
 大島代表によると現在は「何も足さない、何も引かない。今あるものだけで創る来間島ツーリズム」を掲げ、島の漁師の知識を生かした体験型観光の企画に取り組んでいるとのこと。「祈りと島のガキ大将ツアー」や「来間海道を進む古のショートトリップ」など、島民の技能をサービス化して仕事づくりや高齢化対策につなげる狙いがあるという。
 続いて、沖縄リゾートウエディング協会が来間島での取り組みを紹介。来間島の魅力や活動の課題などを発信した。
 プレゼンテーションではNTTデータオートモビリジェンス研究所が「自動運転技術を活用した環境保全と安全管理」をテーマに自動運転技術がどのように環境保護や安全管理に役立つかを具体的な事例を交えて説明。テクノロジーの活用が環境保護にどう貢献できるかを探り、未来の地域協力の新たな可能性を示した。
 (一社)沖縄県環境科学センターの小澤宏之理事は宮古圏域および沖縄のジュゴン調査の結果を共有。藤田喜久県立芸術大学教授は、ヤシガニの生態と共生の重要性を訴えた。
 パネルディスカッションでは、公園化に向けた具体的なステップとして、地域住民の協力がどのように保護活動に役立つかを議論し、実行可能な行動計画を検討。参加者が自ら行動できる具体的なプランを描き、地域での取り組みを強化し、国定公園指定に向け、地域と自然が共生する島づくりの一歩となった。

関連記事一覧