
小規模事業者のデジタル化へ IT、DXとの距離縮める 次回講座は7日開催
宮古島商工会議所は7月31日、那覇商工会議所およびDX学校宮古島校との連携による全4回シリーズの小規模事業者向け「IT・AI活用講座」の第1回を同商議所で開講した。この日の参加者は、ITやDXの講座、セミナーに初めて参加する事業者や市内企業の従業員が多く、女性が約8割を占めた。講座は8月28日までの21日を除く毎週木曜日に開催され、また希望者には各回翌日には個別相談も実施される。この日の参加者は講座を通してデジタルやITとの距離感を縮めた。
同講座は中小企業のデジタル導入を促進することを目的としており、この日の初回講座では、DX学校宮古島校を立ち上げた砂川綾香さんが講師を務めた。
講座では、DX(デジタルトランスフォーメーション)の基礎や、IT・AIがなぜ中小企業に必要なのかを、国内外の成功事例や失敗事例を交えて解説した。
砂川さんは「DXのトランスフォーメーションとは大きな変化、つまり変革を指す。既存の業務をデジタル化することでなく、ビジネスそのものをITやAIを活用し、より良く変わっていくこと」と説明。AI、EV、宇宙産業、医療の進化を例に「これまで10年かけて起きていた変化が、いまや1年で起こっている」と述べ、変革の必要性を強調した。
その上で大阪万博を訪れた際にアンドロイドとの共存に触れた経験や時代の変化に対応できた企業とできなかった企業の例も紹介。「時代の変化に合わせて企業も変化する必要がある」と語った。
さらに学習塾や製麺所など砂川さんが関わった身近な成功例も提示。そのうち、学習塾では、入塾手続きや日程調整、会計管理などの業務をGoogleツールなどで一元化し、月に20時間以上の業務時間削減に成功したという。
また「明日からできる具体的なアクション」として、自社の課題を洗い出すワークにも取り組んだ。参加者自身が専用の入力フォームにアクセスし、自社のIT活用状況を診断。その結果から課題の優先順位を「効果の大きさ」と「着手のしやすさ」に基づいてグループで検討し、複数視点の共有することでより実効性のある導入方針が図られた。
今後、第2回と第4回は、那覇商議所のIT支援スーパーバイザーなどを務める上地卓也さんが担当。那覇商議所では現在、DX支援を強化しており、今回の講座もその一環として位置づけられている。第3回は再び砂川さんが登壇する予定。
講座は1回ごとのスポット参加も可能。参加人数の増加にも同商議所が柔軟に対応する方針で、DXへの第一歩を後押しする体制を整えていく。
問い合わせは宮古商工会議所(72・2779)内の中小企業相談部まで。