第2回「福祉の森構想」に関する地域説明会が開かれた =29日夕、前里添多目的施設

幼老複合施設に意見活発 福祉の森構想 第2回説明会で議論交わす

 伊良部佐良浜地区で計画されている児童館、こども園、高齢者介護施設の幼老複合施設構想「福祉の森」に関する第2回地域説明会が29日夕、前里添多目的施設で開かれた。市民約30人が参加し、認定こども園用地の取り扱いや高齢者福祉施設の整備方針について、市担当課から説明を受け、活発な意見が飛び交い、会場は地域の未来をどう描くかの真剣な議論の場となった。
 冒頭、嘉数登市長は「前回は多くの意見を頂いた。本格的に事業を進めるには地域の理解が欠かせない。市だけで決めるのではなく、率直な意見交換を重ね、着地点を見出したい」と呼び掛けた。
 説明によると、認定こども園用地は公募で設置予定者を決め、土地を売却する方針。その際、民法579条に基づく買戻し特約を設け、指定用途以外での使用を制限すると説明。高齢者福祉施設は、通所介護や小規模多機能型居宅介護など地域密着型を想定。運営事業者は未定であり、今後公募で選定する予定として、土地の分筆等を踏まえて動き出していく事を明かした。
 住民からは「すでに4カ所の高齢者向け福祉施設があるが、トラブルが起きないようしっかりと検討してほしい」との声が上がり、嘉数市長は「数年後の高齢化を見据え、人材確保も考慮しながら整備する。地元事業者とも話し合い、競合を避けたい」と応じた。
 また、質疑応答では「子どもの遊び場がなく、夏休みでも道で遊んでいる」「空き地を公園や市民の集まる場に」との要望が相次いだ。市は整備中の児童館に遊具やバスケットコートの設置を検討しているとし、具体的な遊具の提案を参加者に呼び掛けた。
 このほか集合住宅の整備を求める声や、島の過疎化への懸念も示され、嘉数市長は「若い人が住み続けられる環境づくりが課題。住宅や土地価格、物価の高さも含め、地域と一緒に考えたい」と強調した。会場は地域の未来をどう描くか、真剣な議論の場となった。

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