優勝した宮城さん(前列中央)と応援に駆け付けた先島支部青年部の皆さん(提供)

宮城さん県知事賞で九州へ 若い経営者大会で最優秀賞 地域取り組み語り県代表

 市伊良部商工会青年部の宮城吉治さんは12日に豊見城市のJA豊見城ホールで開催された第48回「若い経営者の主張発表県大会」に出場し、最優秀賞となる県知事賞を受賞した。発表では、自身が継承する介護事業を通じて見えてきた地域の課題や、福祉の本質に迫る問いを投げかけた。この受賞により、9月に開催される九州大会(佐賀県)へ県代表として出場することが決まった。伊良部からの県代表選出は2016年以来、9年ぶりの快挙となった。

事業を受け継いだ宮城さんと母の和子さん(提供)


 宮城さんは、6月28日に伊良部中央公民館で開かれた石垣、竹富、与那国、伊良部の各商工会青年部による先島支部大会で優勝して県大会に進出した。
 発表では、母の和子さんが創業した会社を受け継ぎ、在宅介護を中心に50人超のスタッフとともに伊良部島の福祉を支えていることを語った。
 冒頭では「私はこの島が大好きです」と語り、介護の現場で向き合う人々の思いや、経営者としての葛藤を包み隠さず伝えた。
 また、今から40年以上前に、伊良部商工会青年部の先輩が国へ要請してつながった伊良部大橋や旧徳洲会伊良部島診療所の誘致に動いたことが伝えられた。宮城さんは、24年3月に閉鎖が迫っていた同島診療所に対して、青年部の呼びかけで24年間地域を支えた診療所への「感謝祭」を開催し、島内外の関係者と連携して未来の医療体制を模索し、その行動がメディアにも取り上げられ、診療所跡地の売買が進み、年内にも医療再開の見通しが立ったことを報告。「やればできる」という思いを島民と共有した体験を、宮城さんは「島の誇り」だと語った。
 審査員からは「母から引き継いだ事業と地域課題に向き合う真摯(し)な姿勢が伝わった」との講評があり、自身の福祉事業と青年部活動を両軸に据(す)え、地域課題に具体的な行動で向き合う姿勢が高く評価された。
 宮城さんは「同じ志を持つ仲間と共に、一歩ずつ未来を切り拓きたい」と力強く語り、九州大会での健闘を誓った。

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