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あいさつを述べる嘉数会長 =JA宮古地区本部2階・大ホール

所得向上へ持続可能図る 総会で宮古農業の底力示す 25年度振興会 スマート化で生産基盤拡大

 宮古地区農業振興会(会長=嘉数登市長)の2025年度定期総会が9日、JAおきなわ宮古地区本部で行われ、今年度事業計画などを承認した。24年度のさとうきび生産量は前期比7万9500㌧増で、甘蔗(しょ)代金も94億円に達した。野菜品評会では12点が入賞し、オクラは5年連続で100㌧超。畜産では相場低迷やコスト増で厳しい状況を報告するも子牛販売額が22億7千万円を超え、県内外での表彰や販売実績は、宮古地区農業の技術力と地域一体の取組成果を強く示した。
 総会で嘉数会長は「気候変動や資材高騰など厳しい環境下でも、宮古型の循環・持続可能な農業を確立したい。さとうきびや野菜・果樹、畜産の各分野で効率化と経営安定を図り、次代を担う人材育成にも力を入れる」とあいさつし、地域資源を活かした農業振興へ決意を示した。
 24年度報告によると、さとうきびは天候に恵まれたことで前期比7万9500㌧増の38万9800㌧を記録し、甘蔗代金は15億円以上増の94億9700万円に達した。機械収穫率は全体で94・3%、中でも上野地区は97・9%と極めて高い水準となった。
 野菜・果樹では、JA取扱分として計1315㌧(計画比58%)を出荷し、販売額は6億9600万円(同73%)となった。オクラは強風被害にもかかわらず、5年連続で100㌧を超え、販売額は計画を上回る1億600万円。野菜品評会では金賞4点、銀賞3点、銅賞5点の計12点が受賞され、品質の高さが際立った。
 畜産では、県畜産共進会で優等2席を含む上位入賞を果たし、宮古和牛改良組合が2027年開催の全国和牛能力共進会(北海道大会)に向け代表牛を選抜。子牛販売は宮古、多良間合わせて4892頭、販売額は22億7千万円を超えたが、枝肉相場の低迷や生産コストの増加により厳しい経営状況が続いている。
 25年度事業計画ではさとうきびや野菜・果樹、畜産の生産基盤拡大と農家所得向上を柱に、機械化・講習会による効率化や技術支援を強化する。また、後継者育成や新規就農支援、農業共済の推進も重点施策に盛り込んだ。和牛は改良方針を順守し、素牛の質向上と産地化を目指し、防疫対策にも万全を期すことが報告された。
 22年度役員は次の通り。
 ▽会長=嘉数登市長▽副会長=久志隆盛JAおきなわ宮古地区本部長、八木直人宮古製糖常務取締役▽監事=仲地一政市畜産課長、荷川取努JA宮古島支店長▽事務局長=砂川渉JAおきなわ宮古地区営農振興センターさとうきび対策室長

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