
全会一致で教育長同意 市議会最終本会議 竹アラ整備変更を了承 市長の負担金免除案で好転
宮古島市議会(平良敏夫議長)は27日、6月定例会の最終本会議を開き、嘉数登市長が上程した17議案に対する採決を行った。採決の行方が注目された下地上地の竹アラ地区土地改良事業の計画変更案は、賛否が分かれたものの賛成多数で原案可決となった。さらに、前任者の辞任により年明けから約半年間にわたり空席となっていた市教育長任命に対する同意案は、全会一致により議会承認されたことで、宮城克典氏が教育長に就任することとなる。
今議会で多くの議論が展開され、議会の判断が注目された竹アラ地区土地改良事業の計画変更に対して、山下誠議員から「同議案が否決されることによる農家に生じる不利益の有無」について質問があり、狩俣勝成経済工務委員長が「委員会において、計画変更がなければ同地での畑地灌漑(かんがい)整備が進まないと市から説明を受けた」と回答した。
採決に向けた討論では、國仲昌二議員が反対の意思を示し「議会の判断は受益農家の賛同に基づく必要がある」として「市長が唐突に表明した担金免除についても、その実効性は不透明であり、この提案のみで農家の不信感が払拭されたとはいえない。農家への説明の後に、議会採決を行うことが望ましい」と訴えた。
この意見に対し、下地信男議員が賛成の立場から「受益農家には早期の営農を求める声も多く、議会の判断で工事を遅らせることは、農家にさらなる不利益をもたらす」と話し「現時点で市長の英断を議会が後押しする必要がある」として議員の賛同を求めた。
賛否が分かれた同議案は挙手による採決となった結果、賛成多数で計画変更は原案可決された。
約半年間も空席が続いていた市教育長の任命に反対する意見は上がらず、同意案は全会一致で議会承認を得た。
総額14億円超の増額補正を求めた一般会計と特別会計も原案可決となったほか、公共下水道の利用料金改定に向けた市条例の改正を含む市の上程議案の全てが議会を通過し、市議会6月定例会は閉会した。