
宿泊税の早期導入など要請へ 先島5市町村「美ぎ島美しゃ」 「離島住民に配慮を」 県への共通11項目確認
先島5市町村で構成する「美ぎ島(かぎすま)美(かい)しゃ市町村会」(会長・中山義隆石垣市長)の2025年度定期会議が28日、市役所で行われた。議案の県への共通要望事項は▽宿泊税の早期導入(新規)▽離島患者等通院費支援事業の助成対象の拡大(新規)▽離島における乳幼児健診の体制(新規)―など11項目を確認した。宿泊税には「離島住民への配慮を考え、一刻も早い導入に向けて動いていくべきだ」との意見が出た。24年度事業報告・歳入歳出決算、25年度事業計画・歳入歳出予算案なども承認した。
同会は、5市町村が情報交換および連携、連絡調整を図り、宮古・八重山圏域の抱える共通の課題を調査研究することにより地域の振興発展に寄与することを目的に設立。定期会議では宮古島、石垣、多良間、竹富、与那国のそれぞれの要望事項と共通要望を取りまとめて毎年、県に要請している。
宮古島市役所で行われた会議には嘉数登市長、石垣市の中山市長、多良間村の伊良皆光夫村長、竹富町の前泊正人町長、与那国町の糸数建一町長が出席した。
冒頭あいさつした中山会長は「離島という構造的な課題に加えてガソリン価格高騰や物価高騰など様々な課題があるなか本日宮古島市に集い意見交換できることは大変うれしくも思う。5市町村それぞれの共通課題も数多くあるので情報交換を行いながら取り組んでいきたい」と述べた。
共通要望事項の宿泊税は、離島住民の負担軽減について配慮したうえで早期導入を求めていく。
提案理由は「離島の抱える観光課題解決のために宿泊税の導入は急務であり、持続可能な観光に向けても必要不可欠な財源。一方で離島住民は病院への通院や部活動の派遣などで本島の宿泊施設に宿泊する機会が沖縄本島在住と比較して多く、宿泊税の導入は経済的な負担につながることが懸念される。宿泊施設を利用することは日常生活の一部であることから離島の条件不利性の克服の観点から負担軽減への配慮が必要である」としている。
嘉数市長は宿泊税のシンポジウムに参加したことを話し、離島住民に配慮した早期導入を求めた。また市長会が一緒になった取り組みにも期待した。前泊町長も一刻も早い導入を強調した。
このほかの共通要望事項は▽県空港の管理に係る事務移譲のあり方(新規)▽離島における石油製品価格低減への支援(継続)▽県こども医療費助成制度の対象年齢拡大(継続)―など。宮古島市の要望は▽若者の定住促進に資する環境整備(新規)▽医師・看護師等の安定的な確保(新規)▽畜産農家の負担軽減を図るための支援制度(新規)―などとなっている。